将来悪くなりそうで不安を感じている体の症状は、「疲れやすい/疲れが抜けない」「骨粗しょう症」「自律神経のみだれ」
・今後悪くなりそうで不安を感じている体の症状は、「疲れやすい/疲れが抜けない」が最も多く45.0%、次いで「骨粗しょう症」(33.0%)、「自立神経のみだれ」(26.5%)と続いた。
・現在は悪くないが、心配している体の症状は、「骨粗しょう症」が最も多く+19.1ポイント、次いで「尿もれ」(+10.9ポイント)、「嚥下障害」(+10.1ポイント)だった。
1年間で健康にかけている平均金額は全体で「128,829円」、そのうち「運動サービス」の占める割合は27.6%
・1年間で健康にかけている平均金額は全体で128,829円。
・健康にかけるお金の内訳を見ると、「運動サービス」が平均35,567円で最も高く、次いで「医薬品・医療品」が22,876円、「サプリメント」19,767円となっている。
・「運動サービス」の全体における割合は27.6%となっている。
・年齢別で見ると、70代は「運動サービス(フィットネスジムなど)」の全体における金額割合は31.2%と他の年代よりも高い。
自分にとって“健康である”状態は「自分のことは自分でできること」
・他の人に頼らず一人で生活できる、自分のことは自分でできることを多くの人が望んでいる。
行っている運動1位はストレッチ・体操で79.8%、2位はウォーキングが74.4%と高い
・行っている運動は「ストレッチ・体操」が79.8%、「ウォーキング」が74.4%と突出している。
・一回あたりの平均運動時間は「ストレッチ・体操」が25分、「ウォーキング」は54分。
・70代は「筋トレ」や「その他の有酸素運動(ジョギング/水泳/スポーツ全般など)」の実施割合が他年代に比べて高い。
・フィットネスジム・運動教室満足度(「満足している」+「やや満足している」)は全体で87.6%と高い。
・現在フィットネスジム・運動教室を利用している理由の自由回答を見ると、体を動かすという目的のほか、「コミュニケーション目的でジム・運動教室に通っている」といった回答も見られた。
専門家の見解
ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津順江(うめづゆきえ)氏
2016年3月から現職。主に年間約900人の50歳以上のシニア女性を対象にインタビューや取材、ワークショップを実施
ジム・運動教室でシニア女性を攻略するには、「交流の場」としての価値提供が必要か
「長生きはしたくないが、健康寿命は延ばしたい。」「人の介助や病院・薬に頼ることなく、今普通にできていることを億劫がらずに続けたい。」これが今回の調査で明らかになった50~70代の健康に対する意識です。中でも「自分の足で歩ける」「トイレ・入浴・排泄・物事の判断が自分でできる」「おいしい食事を作って、自分の歯で食べられる」という身体的な継続欲求が強い様子が、自由記述から伺えました。
また、健康のために、年間約13万円のお金を投じています。目的は解決より予防で、「医薬品」よりも「ジムなどの運動サービス」に消費しています。87.6%のシニア女性が、現在利用しているジム・運動教室に「筋肉がつく」「運動不足解消」「運動習慣ができる」「通いやすい(立地)」と満足していました。費用や効率性を利点に挙げる者人は少なく、むしろコミュニケーション目的でジム・運動教室に通っているシニア女性が多い点は想定外でした。具体的には「大人の社交場」「仲間づくり」「インストラクターとのおしゃべり」などが見られたのです。フィットネスジムという交流の場があることで、当該世代は心身ともに充たされ、健康になれるということなのでしょう。
RIZAPの会員に占める60歳以上の比率がコロナ前は10%程度でしたが、今年に入って20%(コロナ前の2倍)を超えているというニュースを目にしました。今回の調査では、50~70代女性の利用者は「カーブス」が断トツでひとり勝ちでした。シニアのトレーニング機運が高まっている今、参入が相次ぐ「シニア向けジム・運動教室」から目が離せません。「場」としても、シニア女性にとってジムは欠かせない居場所となっていく見立てです。シニア女性を攻略するには、セルフジムや短時間型だけでは物足りない可能性がみえました。「コミュニティの場」としての価値提供が必要となるでしょう。
<調査概要>
調査の方法:WEBアンケート
調査の対象:50~79歳の女性
有効回答数:女性476名
調査実施日:2023年9月8日~9月11日
調査主体:(株)ハルメクホールディングス生きかた上手研究所
出典元:ハルメク 生きかた上手研究所調べ
構成/こじへい