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誰かの言葉に深く傷ついてしまったり、「気にすることない」と言われたことをいつまでも引きずってしまったり、そんな経験はないでしょうか?
上記は繊細な人の特徴となります。繊細な部分は元々本人が持っているものなので、自分がどこで辛くなったり、生きづらいと感じてしまうのかは、意外と理解できていない場合が多いのです。
今回は繊細な人の特徴を知り、繊細な自分との上手な付き合い方をお伝えします。
繊細とは
まず、「繊細」とはどのような意味なのかを見ていきます。
繊細とは、
・ほそく小さいこと。ほっそりとして優美なこと。また、そのさま。
・感情などがこまやかなこと。また、そのさま。デリケート。
出典:デジタル大辞泉(小学館)
とあります。今回取り上げる「繊細」とは、2つ目の内面のほうを指します。
感情などがこまやかでデリケートとは、つまり、感受性が豊かであり、その豊さゆえに周囲の感情を敏感に受け取ってしまいやすいということです。
繊細さんと言われるHSPとは
「繊細」と検索をかけると、「HSP」という言葉をよく見かけるようになってきました。HSPとは、「Highly Sensitive Person」の頭文字を取ったもので、日本語の意味は「とても繊細な人」となります。
この言葉は心理学者が提唱したもので、病名ではありません。つまり、HSPという診断を受けるものではなく、自分自身でHSPの気質を持っていると自覚するものとなります。
病院で診断されるものではないので、明確な治療法はありません。しかし、自身の特徴を正しく知ることで、自分を受け入れて考え方を前向きに変えていくことはできます。
繊細な人の特徴とは
繊細な人にはいくつかの特徴があります。ここでは多くみられる特徴を取り上げます。
1.共感力が高い
他人の気持ちを読み取り、その気持ちに深く共感することは、繊細な人の特徴の大きな1つです。周囲の感情を読み取るので、空気を読むという能力に長けており、協調性も高いでしょう。
しかし、協調性が高いということは、それだけ周囲に自分を合せてしまうということ。それを無理にでも行ってしまうので、これが心が疲れてしまう原因となります。
2.他人と自分の感情をうまく切り分けられない
1.の共感力の高いという特徴に似ていますが、こちらは他人に共感するだけではなく、相手の感情をそのままもらってしまうことを指します。
他人にとても悲しいことがあれば、その悲しみに寄り添うことが共感力であれば、その悲しみを自分のことのように受け取ってしまい、悲しみに包まれてしまうということです。それが楽しいことや喜びであればいいのですが、悲しいことなどマイナスのことであれば心は消耗してしまいます。
この特徴がある人は、小説やドラマ、音楽などの作品に感情移入してしまい、辛く悲しい作品であればそれを引きずってしまう場合も多いでしょう。
3.マイナス思考
マイナス思考なことも繊細な人に多い特徴となります。繊細な人は、他人の言葉の意味を深く読み取ろうとします。「もしかして、こういうことが言いたいのかな」というように、その意味を勝手にマイナスなものに変換して受け取ってしまうのです。例えば、アドバイスを受けた場合には、「私の今までのやり方を否定されているんだ」というふうに。
言った側はそこまで考えていないのに、マイナスに受け取ってしまうので、それが落ち込みやすいことにつながっています。
繊細な自分と上手に向き合える3つの方法
繊細な部分を直したいと思っている人もいるかもしれません。しかし、これは気質、つまり性格なので簡単に直すことは難しいでしょう。しかし、本来、繊細なことは悪いことではなく、直す必要もないものなのです。
疲れやすかったり、生きづらいと感じることを少なくするだけで日常が楽になります。今回は簡単に取り入れられる方法をご紹介します。
1.不安なことを紙に書き出す
他人の気持ちを受け取りすぎてしまったり、深読みしすぎて疲れてしまうといった特徴を持つ繊細な人は、多くの不安を抱えてしまいがちです。
しかし、不安とは漠然と感じることが多く、実は何に不安を感じやすいのかを自己分析できていない人がほとんど。そんなときには、不安な気持ちを紙に書き出してみることをおすすめします。書く内容は、例えば、「明日のプレゼンができるか不安」、「友人に嫌われたかもしれない」など、思いつくままに書いてください。紙に書き出すことで漠然としていた不安の正体がわかり、さらには可視化することでその不安について客観視することができます。不安の正体がわかれば、それについて不安にならない対策を講じることができます。
2.ポジティブ思考な人と行動を共にする
特徴で繊細な人はマイナス思考の方が多いとお伝えしましたが、それは相手の発言の裏の裏まで読み取ろうとして、勝手にネガティブに変換して受け取ってしまうからです。
その対策として、ポジティブで前向きな人と行動を共にしてみることもおすすめです。行動を共にすることで、共感力の高い繊細な人の思考もポジティブに変えていくことができます。
3.他人との心の境界線を作る
繊細な人は共感力の高さから相手の感情を受け取りすぎてしまい、それによって心にダメージを受けてしまいがちです。そうならないためには他人との心の境界線を作ることです。
境界線とは、他人と自分の心を完全に分けることを指します。そのためには、他人の感情を受け取りそうになったときには心のスイッチのようなものをオフすることです。
オフにする方法は、辛いなどマイナスの感情を受け取ったときにはそれが「自分のため」なのか、「他人のため」なのかを考えてみましょう。その辛いことを失くすことが他人のためであれば、他人のことと割り切り何か無理をすることをやめてください。自分のためにだけ行動するクセをつけてください。これは自分勝手ということではなく、自分の心の要求だけに従うということです。他人の要求に引っ張られると心は疲れるだけ、と認識しましょう。
文・構成/藤野綾子