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相手とコミュニケーションを取る中で「ご心配ありがとうございます」という言葉を用いる機会がある。しかし、ビジネスシーンやフォーマルな場面で、より丁寧な表現が求められる時に、何と言い換えたら良いか分からない方も少なくないだろう。
そこで本記事では、「ご心配ありがとうございます」はどのような場面で使う言葉なのかを詳しく解説する。言い換え表現や、シーンごとに使い分けできる英語表現も、ぜひチェックしてほしい。
「ご心配ありがとうございます」はどんな時に使う?
「ご心配ありがとうございます」は、相手からの気遣いや思いやりに対して、誠意を持った感謝の気持ちを意味する敬語表現。ビジネスを含めさまざまな状況下で使われる言葉で、ややカジュアルなニュアンスとして表現することができる。シーン別の例文は以下の通り。
【例文】
・仕事で体調を崩した時
「先日は体調不良によりお休みをいただき、大変ご迷惑をおかけいたしました。ご心配ありがとうございます」
・打ち合わせのスケジュールを調整してもらった時
「ご心配ありがとうございます。ご無理なお願いにも関わらず、打ち合わせのスケジュールを調整していただき感謝申し上げます」
・オンラインゲームで回線が落ちた場合
「先程は回線に不具合があり、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。ご心配ありがとうございます、引き続きよろしくお願いします」
ただし、会社で上層部にあたる人や取引先などで「ご心配ありがとうございます」と伝える場合には、次に紹介するより丁寧な言い換え表現を用いると良いだろう。
「ご心配ありがとうございます」の言い換え表現
次に、「ご心配ありがとうございます」のより丁寧な言い換え表現を確認していこう。例文も参考にしてほしい。
■ご配慮いただきありがとうございます
「ご配慮いただきありがとうございます」は、会社の上司や取引先など、目上の人に対して使える敬語表現。「ご配慮」という言葉は「配慮」の丁寧な言い回しで、先方の事情を考慮し、気遣いのある取り計らいをする際に用いられる。
【例文】
「この度は弊社の都合にも関わらず、ご配慮いただきありがとうございます」
「株式会社〇〇、営業部の〇〇と申します。日ごろよりご配慮いただきありがとうございます」
■お気遣いいただきありがとうございます
「お気遣いいただきありがとうございます」は、細やかな配慮や懸念を示す「気遣い」に、尊敬語の「お」をつけた敬語表現。なお、混同されがちな「心遣い」という言葉は、相手の心情へ配慮する場合や祝儀で用いることが多い。一方で「気遣い」は、相手の状況を察し、思慮深く接するといった意味合いを持つ。
【例文】
「先程はプロジェクトの立ち上げに伴い、お気遣いいただきありがとうございます」
「平素よりお気遣いいただきまして、誠にありがとうございます。今後とも弊所を何卒よろしくお願いいたします」
■ご心配賜りまして感謝申し上げます
「ご心配賜りまして感謝申し上げます」は、「ご心配ありがとうございます」をより丁寧に言い換えた敬語表現。「賜る」という言葉は、目上の人から品物を頂戴した時や、厚意を受けた際にも使われる。ただし、動詞の「感謝申し上げます」に続けて「誠に」を使うのは基本的に誤用だ。
【例文】
「本日は突然の訪問にも関わらず、弊所のご心配を賜りまして感謝申し上げます」
「ご心配賜りまして感謝申し上げます。おかげさまで体調が回復いたしました」
「ご心配ありがとうございます」の英語表現は?
最後に、「ご心配ありがとうございます」と似た意味の英語表現を紹介する。
■Thank you for your concern
“Thank you for your concern”は、ビジネスなどの丁寧な敬語が求められるシーンで使えるフレーズ。名詞の“concern”には「気遣い」や「懸念」といった意味がある。そのため、相手の配慮に対して、感謝の気持ちを伝えたい時にはぴったりの英語表現だ。
【例文】
“Thank you for your concern. I look forward to working with you.”
(ご心配ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします)
■Thank you for worrying about me
“Thank you for worrying about me”は、ビジネスや日常会話などで使えるややカジュアルなフレーズだ。“worrying about”には「~に関して心配してくれて」という意味があり、ポジティブに感謝の意を示すことができる。
【例文】
“Thank you for worrying about me. I’m slowly getting better.”
(ご心配ありがとうございます。体調は徐々に回復しつつあります)
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部