転職希望者1名に対し、中途採用の求人が何件あるかを算出した「転職求人倍率」は、直近でどれくらいの数値を記録しているのだろうか?また、前月と比べて特に求人数が増加した業種・職種とは?
転職サービス「doda(デューダ)」はこのほど、2023年11月の転職求人倍率をまとめた「doda転職求人倍率」を発表した。
2023年11月の概況
■転職求人倍率
2023年11月の転職求人倍率は、前月から+0.35ポイントの2.76倍となった。求人数は前月比103.1%、前年同月比126.2%だった。転職希望者数は前月比90.2%、前年同月比102.0%となった。
■求人数増加率
求人数は、業種別では12業種(「その他」は除外)のうちすべてで前月から増加した。最も増加率が大きかったのは「金融」(前月比105.5%)、次いで「人材サービス」(前月比105.0%)となった。職種別では11職種(「その他」は除外)のうち9職種で前月から増加し、増加率が最も大きかったのは「事務・アシスタント」(前月比106.7%)、次いで「エンジニア(機械・電気)」(前月比104.3%)となった。
解説と今後の見通し
■2023年11月の解説
11月の求人数は、本定義で転職求人倍率の算出を開始した2019年1月以降で過去最高値となった。求人数の増加率が特に大きい「人材サービス」では、技術系アウトソーシング企業でITエンジニアなどの求人が増えた。
また建設業に特化したアウトソーシング企業で本社スタッフのポジションや施工管理などの求人も増加している。建設業では、2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されることから、人員補充に向けたニーズが高まっており、増加傾向にあると考えられる。
転職希望者数は、例年11月ごろから年末に向けて減少するため、今回も同様の傾向になった。転職希望者数より求人数の増加幅が上回ったことで、転職求人倍率は上昇し、本統計の最高値を更新した。
■12月以降の見通し
12月の求人数は、依然として続く構造的人材不足と来期を見据えた人材確保の観点から、企業の採用意欲は高止まりが予想され、増加が見込まれる。一方、転職希望者数は、例年、年末の影響によって12月は更に減少し、1月から大きく増加する傾向があるため、同様の推移が予想される。求人数は増加し転職希望者数は減少するであろうことから、転職求人倍率は上昇する見込みだ。
出典元:doda
構成/こじへい