DIME MAGAZINE
従来品をアップデート！ヒット商品が続々登場
2023年のヒットの法則のひとつ。それは、時代の風に合わせて、既存商品を構築し直した「リブランディング」だ。
データを根拠に世情を上手に読み解き、時代に即した販売戦略を体現したのが、2022年11月に発売された『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』だ。同商品は2014年にアサヒ飲料から『アサヒ 富士山のバナジウム天然水 ホット』として一度発売されたものの、売り上げが伸びずに販売終了に。しかし、近年の白湯人気に注目し、パッケージやネーミングを一新して再販に踏み切った結果、予想を上回るヒットを生んだ。
「2009年には11.8％だった『白湯の飲用経験率』は、2022年には61.0％と約5倍の伸び率に。また、健康意識の高まりから白湯を生活に取り入れたいと思う人が、女性層のみならず男性層でも増加中だと判明したことが、商品開発の後押しになりました。そこで、2014年時点の商品名にはなかった『白湯』という文字を前面に打ち出したパッケージデザインで発売に至りました」（同社マーケティング本部・鈴木慈さん）
より伝わるパッケージやネーミングによるブランド刷新で成功したのは、広範囲のカビに密着する濃密泡の洗浄力で、ネットを中心に評判になったクリーンプラネットの『丸洗浄』シリーズも同様だ。
また、リブランディングの際は、既存ファンの獲得も必須といえる。タカラトミー『ベイブレード』シリーズは、従来品の魅力は引き継ぎつつ、バトルでの戦略性を増す新ギミックを搭載した第4世代『BEYBLADEX』を発売。「ベイブレードは、スポーツへ。」とのコピーが表わすように、子供向けの玩具としてだけでなく、かつて幼少期に同商品に親しんだ大人も再び楽しめるギアスポーツとしてのリブランディングに成功した。
「『ベイブレード』は、発売から約25年の間に、世界80以上の国と地域で累計出荷数5・2億個以上を記録しています。全世界で多くの人にプレイされたことで、見る人も楽しめるスポーツのような存在に変化しつつあります。ギアを使った改造組み替えの知識習得やシュートの練習など、プレイヤーの技量の向上も求められる競技性が高まった点も、大人層を獲得できた一因だと思います」（同社マーケティング課・髙坂遊太さん）
既存商品を、時代の節目に見直すこと。この法則から、まだまだ次のヒット商品が誕生するはずだ。
白湯の飲用経験率が約10年で5倍に。パッケージを一新しました
──アサヒ飲料 マーケティング担当・鈴木慈さん
ヒットの方程式「リブランディング編」
〝今〟にハマるように既存商品の打ち出しを見直す
データから時代の変化を読み取る
既存商品のファンも満足するような変化を
「白湯」に変えてヒット！計画比約3倍
アサヒ飲料『アサヒ おいしい水 天然水 白湯』
113円
2023年9月に、パッケージを再度リニューアル。新たに中身が冷めにくい不織布素材の保温ラベルを採用することで、現行品よりも白湯の温度が長持ちするように。
【旧パッケージ】
2014年発売の『アサヒ 富士山のバナジウム天然水 ホット』。発売時はまだ白湯愛好者は少なかった。
発売3か月で国内累計出荷数100万個突破発売から約25年、新コンセプトに
タカラトミー『BEYBLADE X』
第4世代『BEYBLADE X』では、超加速を生み出す新ギミック「X（エクストリーム）ダッシュ」を搭載。戦略性がより高まったことで、ゲーム性もアップ。
全国4都市での大型大会ツアーの開催や、毎月全国各地でバトルイベントも開催中。
『BX-17 バトルエントリーセット』
6050円
特別カラーのベイブレード2個、ワインダーランチャー2個、スタジアムがセットに。すぐにバトルが始められる。
©Homura Kawamoto, Hikaru Muno, Posuka Demizu, BBXProject, TV TOKYO
©TOMY
Amazonで爆売れ！シリーズ品がほぼ欠品に
クリーンプラネット
『洗濯槽のカビ 丸洗浄』
987円
『お風呂場のカビ 丸洗浄 ウルトラホイップスプレー』
987円
従来は『滅カビ』シリーズなどで展開していたが、2023年10月より、名称やパッケージをリニューアルし『丸洗浄』シリーズに統一。ブランドや性能がより明解になった。
取材・文／藤村はるな
※本記事内に記載されている商品やサービスの価格は2023年11月30日時点のもので変更になる場合があります。ご了承ください。
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