複合災害に備えるためのポイントとは
今後起こりえる複合災害から身を守るために、まず必要なのが災害に対する意識の変化。正しい危機感を抱きながら、日常生活の中で災害に備えたい。防災士の資格ももつ國本未華さんは、避難場所の確認と、アナログの併用などをアドバイスしてくれた。
■災害に適した避難場所を知る
多くの人は避難場所というと近所の学校や公民館などを想像するだろう。どんな自然災害でも同じ場所に避難すると思いがちだが、実は避難場所は災害によって異なることがある。洪水や河川の氾濫に耐えうる避難場所は高台に設置されているところが多い。何の災害で避難できる場所かを確かめておくことが大切である。
自宅近くの避難場所は国土交通省が作成しているハザードマップポータルサイトが便利。自宅住所を入力した後、ハザードマップの種類(洪水、土砂災害、高潮、津波など)を選択して、どの災害でどこが避難場所になるのかを確かめてみて。
■実際に避難場所まで歩いてみる
また、実際に避難場所まではどのような道をたどっていくか。普段から確かめておくと良い。崩れそうな崖や河川がある場合、避難場所まで歩けないこともある。また、水など防災用品を入れたリュックサックは意外と重たい。実際に背負って歩くなど、普段から体験しておこう。
■アナログも併用しておく
災害時に心配なのは家族の安否。東日本大震災では携帯電話がつながらないケースが多く、公衆電話に長い列ができた。國本さんもDIME本誌で「連絡先の電話番号は紙でも保管しておきましょう」とアドバイスしている。
■公衆電話の位置を知っておく
震災直後の安否確認に公衆電話は便利だが、硬貨やテレフォンカードが無いと使えない公衆電話もある。アナログ公衆電話は硬貨またはテレフォンカードが必須なので、キャッシュレス時代でも小銭は携帯しておく方がよさそう。
NTT西日本、東日本のサイトでは、位置情報や住所から公衆電話を検索できるサイトがある。いざという時にスマホがつながらない場合もあるので、普段の今こそ確かめてみて。
私の住む自治体では定期的に防災訓練を行ない、期限切れが近い備蓄食料を無償配布している。訓練で担当の消防署職員は毎度のように、「災害が起きる可能性を信じて行う対策と、信じないで行う対策では、人命に差が出る」と言う。2024年も災害が起きると想定して、対策しておこう。
【NTT西日本】公衆電話 設置場所検索 – 公衆電話情報(個人のお客様向け) (ntt-west.co.jp)
公衆電話 設置場所検索 | 公衆電話インフォメーション | NTT東日本 (ntt-east.co.jp)
國本未華さん
1987年生まれ、東京都出身、ウエザーマップ所属、早稲田大学人間科学部卒、2009年4月気象予報士登録。現在TBSテレビ「Nスタ」(水・木)の気象コーナーを担当。健康気象アドバイザーなどの資格をもつ。クリオネ好き。
文/柿川鮎子