インフルエンザが猛威をふるっている。年末年始は忘年会や帰省、初詣、新年会など、人と対面する機会が多くなる。インフルエンザはもちろん、風邪にも注意が必要。良い年を迎えるためにも、ぜひ予防に努めよう。
年末年始の定番メニューの選び方を、インフルエンザ・風邪予防の観点から、東京慈恵会医科大学附属病院 栄養部 部長で管理栄養士の濱裕宣氏に聞いた。
鍋のメイン食材は「魚介類」
寒い時期の定番、鍋料理は、肉より魚介類をメインとしたもののほうがおすすめだという。
「野菜と肉や魚がたっぷり摂ることができる上に、身体も温めてくれる鍋は、栄養バランス満点の理想のメニュー。甲乙つけがたいですが、免疫対策を考えるならメインの食材には魚介類を。免疫対策に有効なタウリンが豊富な牡蠣や、ビタミンDが豊富な鮭などは特におすすめです。魚介類には亜鉛も豊富なので、粘膜を強くしてくれ、ウイルスの侵入予防にもつながります」(濱氏)
【ポイントになる栄養素解説】
●タウリン
栄養ドリンクに入っていることでも有名なタウリンは牡蠣、イカ、タコ、魚など魚介類からも摂れる。免疫アップのために意識したい栄養素として近年注目されているという。
「異物を見つけて即座に攻撃する自然免疫の役割を果たす好中球の殺菌作用を強化したり、異物を記憶して再び体内に異物が侵入したときに攻撃する免疫細胞であるT細胞の増殖や機能向上、B細胞を活性化させて抗体の産生を促すことで免疫バランスを向上してくれる働きがあることがわかっています」(濱氏)
●ビタミンD
鮭、いわし、しらす、ツナやしいたけ、きくらげに含まれるビタミンDも見逃せない。
「免疫細胞は骨髄で作られますが、ビタミンDはカルシウムが吸収をサポートし、骨を強くすることにも関与しています。また、さまざまな調査で免疫細胞を元気にしてくれることが裏付けられています。さらに、ウイルスや病原菌が身体に入ってきたときの過剰な免疫反応も抑えることがわかっています」(濱氏)