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推し活、SHEIN、イマーシブ、TikTok、Z世代が振り返る2023年と2024年のトレンド予測

2024.01.09

いつの時代も流行は若者から生み出される。新しい感性が、新たな価値観を生み出し、それはビジネスにも影響を与えてくる。ビジネスシーンにおいては彼ら/彼女らが何を考え、なぜ、その商品、サービス、コンテンツを受け入れるのか、例え同じように受け入れることができなくとも理解をした方がいい。

電通プロモーションプラスには、Z世代の社員を中心に構成される「若者消費ラボ」という横断組織がある。若者の消費動向を調査・分析し、当事者ならではの視点で購買体験のプランニングから実践をする組織だ。

若者に関することは若者に聞くのが一番早い。若者消費ラボの20代のメンバーたちに2023年、そして2024年の購買(消費)トレンドについて話を聞いた。Z世代が自分自身の消費者インサイトをについて赤裸々に語ってくれた。

2020年に結成された「若者消費ラボ」。メンバーの半数以上がZ世代で構成される

2023年は「トレンドのつまみ食い」が加速した1年だった

――早速ですが、今年を振り帰ってみて2023年の若者の消費トレンドをどのように感じましたか

角田 個人的な体験から言うと、PCゲーム界隈はここ数年の盛り上がりを引き継いでさらに過熱していたように感じました。コロナ禍を経てPCゲームのユーザー数は増えてきていて、高校生や大学生でもゲームをするために数十万円もするゲーミングPCを購入するのが当たり前になってきている。

安くて手軽に買える高コスパなファッションブランドがいまZ世代を中心に人気な一方で、自分が本当に好きなもの、趣味や推しに対してはむしろお金を使いたいという欲求があると思うんです。

電通プロモーションプラス
システムプロデューサー
角田吏規さん

手嶋 確かに高コスパブランドの一つ「SHEIN」は今年も引き続きZ世代に人気だったと思います。

価格の安さは魅力的なのですが、SHEINが受け入れられている要因の一つとして、共感といったワードは外せない気がします。SHEINの特徴として、口コミが充実している点があります。

ブランドが日本に上陸した当初から怪しさを感じるといった声もインターネット上では見られますが、その反動なのか、購入者が使用感を忖度なしにシェアしてくれる文化があるんです。こういった同世代の等身大の口コミがあることも、ブランド認知拡大や利用者増加の理由なんじゃないでしょうか。

電通プロモーションプラス
ビジネスプロデューサー
手嶋玲さん

馬場 今年ならではという話なら、やっぱり外出は外せない。Z世代に限らないと思いますが、5月に新型コロナウイルスが5類に移行したことをきっかけに音楽ライブやフェスに久々に参加した人も多かったですね。

電通プロモーションプラス
プランニングプロデューサー
馬場理彩子さん

角田 ですね。eスポーツ業界でも現地観戦はアツいですからね。8月には『VAROLANT』というPCゲームがさいたまスーパーアリーナでイベントをして1万人以上動員をしたそうですし、人気タイトルのオフライン大会だと数万人規模を動員するのが当たり前になっていますからね。

馬場 さらに言うと、手触りがあるということは重要だったようにも思うんですよ。代表的なものだとイマーシブミュージアムでしょうか。イマーシブ(=没入感)の名前の通り、ただキレイなもの、面白いものが見られるというだけでなく、自分自身で体験できるというプラスアルファの価値が消費者には求められていたと思います。

猫プリンもそうですよね。お皿を揺らすとぷるぷる震えるくらい柔らかい猫の形をしたプリンなんですけど、自分で体験する楽しみがあるのがいいんです。

高橋 猫プリンは動画映えでもありますよね。個人的には今年はショート動画にも「映え」が求められている印象でした。

インスタ映えが写真(静止画)を通した訴求力を意味するなら、ショート動画における「映え」は、動きの独自性や短尺ならではの訴求力で消費者を惹きつけていたと思います。欲しい情報、必要な情報だけが切り取られていて、ハイライトやパンチラインが明確な動画は伸びやすかったし、視聴者もそれを求めていたように思います。

ショート動画もタイパも今年生まれたワードではありませんが、ショート動画映えするコンテンツのおかげでより使いやすくなって、今まで以上にトレンドをつまみ食いできるツールに成熟してきたと感じます。

手嶋さんが名前を挙げたSHEINも同様で、手に届く価格帯でトレンドを押さえた新作商品が次々に出てくるところなど、トレンドを購入に繋げるツールとしてニーズがありますよね。

電通プロモーションプラス
アートディレクター・プランナー
高橋ひなのさん

10代を中心にSNSの使い方が変化している

――トレンドは若い世代から他の世代に広がっていくというケースが多々あります。いまZ世代の中では流行っているけど、まだ他の世代には浸透していないトレンドなどはありますか

手嶋 SNSの『BeReal』ですね。同じZ世代でも高校生、大学生の利用者は多いですが、私たち社会人の世代はまだ浸透していない印象です。まさに次の世代のSNSだと思います。

そこから等身大/自然体みたいなワードはキーワードになりつつあるような気がしますけど、どうですか?

馬場 そうですね。BeRealは他のSNSに比べて、クローズドなSNSで、加工していない姿を友人同士で楽しむSNSなんです。

「等身大でいたい」という価値観は私たち社会人Z世代も潜在的に感じている節があるので、少し共感できるかもしれません。

手嶋 私たちもSNSに投稿する写真は前よりキラキラ感はなくなっている気がします。だから、美化したり誇張した姿じゃなく、自然体の姿を認めてもらいたいという気持ちは理解できるんです。

馬場 みんな、なんとなく同じ気持ちを感じて抱えていて顕在化したのがBeRealって感じです。

SNSマーケティングは変わらず有効 「等身大」の背中を押してくれる商品に注目?

――ここ数年、フォトジェニックはSNSの基本でしたよね? その価値観に変化が現れたのはなぜですか?

角田 僕もそうですけど、結局のところ、多くの人は自分が没個性だと気付いたんだと思います。インフルエンサーになれる人はほんの一握りで、どんなに頑張っても自分は自分。だったら取り繕った自分でSNSをするのではなく、いかに素の自分を身近な人たちに受け入れてもらうのかに感情がシフトしてきているんです。

高橋 自分を最大限に美化して発信したいという欲求が大多数を占めていたのは確かです。でも、本当の自分とのギャップに疲れる人、疑問を持つ人が増えていく中で、徐々に変化してきているのかなと思います。

――先ほどの「ショート動画映え」と「等身大/自然体」。この二つのトレンドは対立しませんか?

高橋 対立というより共存します。これまで同様、企業やインフルエンサーのマーケティングでは「映え」は重要です。自分の見せ方は変わっても、SNSで情報を集める際には、やっぱり映え動画は印象に残りますから。

馬場 SNS疲れといっても、完全にSNSを断つのではなく、見る専門として使い続けますよね。

手嶋 実際、企業のZ世代向けのマーケティングもまだ等身大とか自然体とか、そこまで踏み込んでいる実例はない気がします。

馬場 過渡期だから難しいですよね。いまウケているものを踏襲しつつも、変化するインサイトに寄り添い、新たなトレンドを掛け合わせた広告展開をクライアント企業に提案していくことができればと思います。

自然体といってもいきなり「すっぴんがいい!」というわけではなくて、「つけまを付けないくらいの頑張りすぎない感じがいいよね」というニュアンスですよ。

高橋 等身大の私たちを肯定してくれるような商品やサービスが消費者の心を掴むかもしれませんね。

2024年は「等身大の私を肯定、応援してくれるエンパワーメント(勇気づけ)が大切」と語るメンバーたち

取材・文/峯亮佑 撮影/篠田麦也

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