ネット証券は対面証券と比較して新NISAの利用意向が高い
ネット証券と対面証券のNISAの利用状況
NISAの利用状況を調査したところ、対象のネット証券で一般NISAを利用している割合は29.0%、つみたてNISAを使用している割合は20.8%となった。また、ネット証券では対面証券と比較してつみたてNISAの利用率が高いことがわかった。
ネット証券と対面証券の新NISAの利用意向
2024年より、年間投資上限額の引き上げや非課税期間が無制限となるといった新しい制度のNISA(以下新NISA)が開始される。
そこで、新NISAの利用意向を調査したところ、ネット証券において「対象の証券会社で新NISAを利用したい」と回答した割合は44.1%となり、対面証券の28.3%と比較して高くなった。
特に、NPS1位のSBI証券と2位の楽天証券においては新NISAの利用意向が顕著に高い結果に。また、対象のネット証券ですでにNISAを利用している人のうち、引き続き同一のネット証券で新NISAを利用したいと回答した利用者は73.4%だった。
対象のネット証券会社で新NISAを利用したいと回答した人は、そうでない人と比較して「手数料とサービスのバランスの良さ(コストパフォーマンス)」や「取扱商品の豊富さ・魅力」の評価が高い。
新NISAの商品ラインアップや手数料の魅力が利用意向の高さにもつながっていると考えられる。
■新NISAに関する案内や説明を受けた利用者のNPSは高い傾向に
対象の証券会社からの新NISAに関する案内や説明の有無
対象の証券会社から新NISAに関する案内や説明があったかどうかを調査したところ、ネット証券において「新NISAに関する案内や説明があった」と回答した割合は43.0%となった。
対面証券においては45.6%となっており、ネット証券と比較して大きな差はみられなかった。
新NISAに関する案内や説明の有無別NPS
また、新NISAに関する案内や説明の有無別にNPSを分析したところ、「新NISAに関する案内や説明があった」と回答した利用者のNPSは-13.3ポイントと、「新NISAに関する案内や説明があった」と回答した利用者に比べて高くなっていた。
ネット証券において、新NISAに関する案内や発信をしていくことの重要性が示される結果と言えるだろう。
■推奨度(友人や同僚におすすめできるか)が高いほど、継続利用意向も高い傾向
推奨セグメント別継続利用意向
対象の証券会社において、今後の継続利用意向を0~10の11段階でたずねたところ、 「推奨者」(推奨度が「9」~「10」の回答者) は平均9.5ポイント、 「中立者」(推奨度が「7」~「8」の回答者)は平均8.0ポイント、「批判者」(推奨度が「0」~「6」の回答者)は平均6.3ポイントとなり、推奨度が高いほど継続利用意向も高くなる結果となった。
<NPSとは>
NPS(Net Promoter Score)とは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを測る指標。欧米では公開企業の3分の1がNPSを使用しているといわれ、日本においても顧客満足度にかわる新しい指標として、NPSを活用する企業が増えている。
調査概要
【ネット証券】
調査対象企業(アルファベット順、50音順)/ auカブコム証券、SBI証券、松井証券、マネックス証券、楽天証券
調査対象者/インターネットリサーチモニターのうち上記ネット証券会社において過去1年以内に取引経験がある人
調査方法/NTTコム リサーチによる非公開型インターネットアンケート
調査期間/2023年11月10日(金)~ 2023年11月14日(火)
有効回答者数/1944名
回答者の属性/
【性別】男性:71.4%、女性:28.6%
【年代】20代以下:6.5%、30代:17.2%、40代:28.2%、50代:20.8%、60代以上:27.3%
関連情報
https://www.nttcoms.com/service/nps/summary/
構成/清水眞希