昨今ではコロナ禍からの経済回復や人手不足の慢性化を背景に、2023年7~9月期平均の転職希望者数は初めて1000万人を突破。「大転職時代」の到来が予期される。
そんな中、OpenWork「働きがい研究所」では中途入社した社員による「社員の士気」スコアでランキングを作成。中途入社者が選ぶ「社員の士気が高い企業ランキング」として、カウントダウン形式で発表した。
本稿では、その内容を抜粋してお伝えする。
熱意を持って働く社員の存在は一緒に働く人のモチベーションや成果にも影響するだけでなく、求職者にとっても会社選びの重要な指標のひとつとなるはずだ。
中途入社者が選ぶ「社員の士気が高い企業ランキング」TOP30
■上位30社の「社員の士気」スコア平均は4.13点
中途入社者が「社員の士気が高い」と評価した企業を集計した本ランキング。1位ボストン・コンサルティング・グループ、2位にA.T.カーニー、3位にイグニション・ポイントが並び、トップ3社は全てコンサルティング企業という結果となった。
業種別では、ほかにIT・通信・インターネット、メーカー・商社などの企業が並ぶ。
今回ランキング作成の対象とした、中途入社者からの投稿が15件以上ある企業1494社の「社員の士気」スコア平均点が2.94点だったのに対して、上位30社の平均点は4.13点となり、30社のうち26社が4点超という結果になった。
ランクイン企業で働いた中途入社者が投稿したクチコミからは、組織体制や企業文化の特徴として、ミッションやビジョンが浸透しており、社員が一丸となって仕事に取り組んでいる様子が挙げられた。
また、企業が求めるバリューに合致しているかどうかといった、明確な評価基準が設けられていることも特徴として見られた。
上位30社の「待遇面の満足度」スコアを見ると、外資系企業で高評価な傾向が見られるものの、3点を下回る企業も5社あった
一方、「人事評価の適正感」では全社が3点を上回った。社員の士気が高いと評価される企業に共通するのは、年収や給与などの待遇の良さよりも、評価制度への納得感と考えられる。
加えて、中途入社者に対しても入社後のフォローが丁寧に行なわれていることなど、社員が同じ方向を向くための仕組みづくりが行われていることも挙げられるだろう。
ランクイン企業のなかには、士気の高い社員が集まる職場環境に惹かれて入社を決めた、といった声も寄せられており、こうした人材が新たに加わることで好循環が生まれていると考えられる。
■社員の士気が高い企業はスピード感が早く、チャレンジできる機会が豊富
今回ランクインした上位 30 社は、若手の成長環境としても高く評価された点が特徴的だった。
対象データ全体の「 20 代成長環境」スコアの平均は 3.03 点なのに対し、 30 社の「 20 代成長環境」スコアは平均 3.99 点で、「社員の士気」に次いで平均との差がある結果が出ている。
ランクイン企業のクチコミには、スピード感を持って仕事に取り組めることや、幅広い事業を手掛けているため若手にも挑戦の機会が豊富であることが挙げられていた。
フルコミッション型の報酬制度を採用する企業では、成果を上げれば上げるほど報酬にも反映されるため、成長を目指す原動力になっていることが推察できる。
■日本の「熱意ある社員」比率は最低水準。「社員の士気」スコアは企業の競争力にもつながる重要な指標
米ギャラップ社の調査によると、日本の仕事への熱意や職場への愛着を示す社員の割合は5%(※)にとどまり、近年は世界最低水準が続いている。
社員のモチベーションは企業の生産性や競争力に直結するだけに、社員が熱意を持って士気高く働ける職場づくりは企業経営において避けて通れない課題だ。
そのために、ミッションやビジョンの浸透、不公平感のない評価制度づくりなど、どの要素に注力すれば「社員の士気」を高められるか、その判断が今後ますます求められているのではないだろうか。
(※)米ギャラップ社「グローバル職場環境調査」(2022年)
対象データ
OpenWorkに2020年以降に投稿された、中途入社者による会社評価レポート回答13万6891件を対象データとして使用
構成/清水眞希
800社17万3000人のAI行動分析でわかった最速で結果を出す「超タイパ仕事術」が書籍化!
越川さんは、複業・週休3日を実践しながら800社へ働き方改革のノウハウを提供し、24冊以上のビジネス書を執筆している、まさに仕事効率化のスペシャリスト。その越川氏の新刊が発売となりました。
最速で結果を出す超タイパ仕事術
著:越川慎司
定価:1650円(税込)
https://www.shogakukan.co.jp/books/09389145
同氏がこれまでに働き方改革を支援してきたのは800社以上にのぼる。クライアント企業の優秀なビジネスパーソンに見られる行動を分析して導き出した、業務の無駄を徹底的に省き、仕事のタイパ(タイムパフォーマンス)を高める方法を詳しく解説しています。その一部をダイジェストで紹介します。
同書は、第1章から第5章までの5部構成になっています。
第1章では、企業にはびこる無駄の数々について実証データをもとに紹介。「よかれと思って作ったページの81%が読まれない」「重要だと思っていた書類の88%は不要だった」など、どれも衝撃的な内容となっています。日頃の仕事でいかに時間を浪費しているのかを
思い知らされるはずです。
第2章では、人間の思考傾向や行動原理について解説。「目の前の仕事に集中したくなる」「完璧を求めすぎると疲弊するだけ」といった思考回路を意識することにより、無駄を生じている様々な思い込みをやめるきっかけになるでしょう。
第3章では、仕事の取捨選択を行なう際の〝見極め〟を伝授。「自分の目標から逆算して、本当に必要な業務に注力する」「場合によっては念のための確認を省く」といった考え方を知ることで、在的には無駄だとわかってはいるもののやめられない業務を手放せるようになるはです。
第4章は、本書のメインテーマである〝タイパ〟を高めるための「無駄をやめられる35の秘策」を大公開。コミュニケーション、情報収集、アウトプット、タイムマネジメント、プレゼン、キャリアの形成といった6つのテーマごとに、具体的にどんなアクションを起こすことで無駄を省けるのかを、わかりやすく紹介しています。35の秘策をすべて実践する必要はなく、真似できそうなところから始めてみても問題ないはずです。
第5章は、成果を出し続けている企業の事例を挙げながら、組織としてタイパを高める習慣を指南。第4章までの内容と合わせて実践し、理想的な職場環境を構築を目指しましょう。
なお、同書で紹介している〝超タイパ仕事術〟によって成果を上げているビジネスパーソンの実例も、コラムページで詳しく解説していますので、多くのビジネスパーソンにとって働き方を見直す指針となるはずです。