サイバーエージェントのメディア事業が波に乗っています。2024年7-9月の売上高は、前年同期間比34.7%増の408億円と大幅に増加。6,000万円の営業損失と赤字だったものの、前年同期間の26億円と比較すると、赤字幅は圧縮されています。
藤田晋社長は決算説明会にてABEMA単体での黒字化は先になるものの、メディア事業単体の黒字化が見えたとコメントしています。
メディア事業の現状はこの言葉に詰まっています。黒字化の立役者となっているのが、公営競技のインターネット投票サービス「WINTICKET」です。
2023年に入っての四半期の赤字額は7億円程度まで縮小
2023年9月期のサイバーエージェント・メディア事業の売上高は前期比25.9%増の1,411億円、115億円の営業損失(前年同期間は124億円の営業損失)でした。通期で見ると、損失額はそれほど変わっていません。
前期に赤字が膨らんだ主要因は、FIFAワールドカップカタール2022大会の放映権を獲得し、全試合を無料中継したため。2022年10-12月は93億円もの営業損失を計上しています。
■メディア事業の営業損益推移
※決算説明資料より
2023年に入ってからの損失額は、平均で7億円ほど。2桁億円のペースで赤字を出し続けていたメディア事業が明らかに変化しています。
売上構成を見ると、インターネットTVの根幹をなす広告や月額課金、有料コンテンツの課金であるPPVの比率は低く、「周辺事業」が大部分を占めているのがわかります。
■メディア事業売上構成
※決算説明資料より
サイバーエージェントは2018年11月にWINTICKET事業を開始しました。周辺事業の大部分はWINTICKETが占めています。