知ってる？Excelで電子印鑑を作る方法とメリット、デメリット

ペーパーレス化が進む中、電子印鑑を使う機会が多くなっている。

電子印鑑を使えば、紙書類への押印に必要だったすべての手順がパソコン上で完結するため、契約や決裁の効率化には電子印鑑が不可欠である。

本記事ではExcelで電子印鑑を作成する方法や、Excelで電子印鑑を作るメリットやデメリットについて解説する。

Excelで電子印鑑を作る方法

Excelで電子印鑑を作る手順を以下に解説する。

まず、電子印鑑の円の部分を作る方法を解説する。

①【挿入】タブの［図］のセクションの「図形」のプルダウンをクリック

②「図形」の一覧が表示されたら、「楕円」を選択

➂シートにドラッグして円を描く（この時Shiftキーを押しながらドラッグすると正円が描ける）

④図形を選択した状態で【図形の書式】の「図形の塗りつぶし」をクリック

⑤メニューが表示されたら「塗りつぶしなし」をクリック

以下のように図形の塗りつぶしの色がなくなり枠線だけになる。

⑥続いて「図形の枠線」をクリック

⑦表示されたメニューから好みの色（印鑑に適した色）を選択（ここでは「赤」を選択）

下の図のように円の枠線が赤に変わる。

⑧再度「図形の枠線」をクリック

⑨メニューが表示されたら「太さ」を選択

⑩一覧から適した太さを選択（ここでは「3pt」を選択）

これで印鑑の円の部分が完成する。

次に円の中に挿入する名前の作成方法について解説する。

①【挿入】タブの［テキスト］のセクションの「テキスト」のプルダウンをクリック

②表示されたプルダウンリストより「テキストボックス」を選択

③「縦書きテキストボックス」を選択

④シートにドラッグしてテキストボックスを表示させる。

⑤テキストボックスに名前を入力

⑥入力した文字を印鑑に合うように編集する。まず【ホーム】タブ［フォント］セクションよりフォントを好みのものに変更する。（印鑑には楷書体や行書体がおすすめであるため、ここではHGP行書体に変更）

⑦フォントサイズのプルダウンより円の大きさに合ったフォントサイズに変更する。（ここでは「40」に設定）

⑧「フォントの色」のプルダウンから好みの色を選択（ここでは円の色に合わせて「赤」を選択）

⑨次に【図形の書式】タグの［図形のスタイル］セクションより「図形の枠線」をクリックし表示されたプルダウンより「枠線なし」をクリック

⑩「図形の塗りつぶし」をクリックし、プルダウンが表示されたら「塗りつぶしなし」をクリック（下の図のようにテキストボックスの背景の白い部分がが無くなる）

⑪テキストボックスをドラッグして円の中に移動させると印鑑の形ができる。

円とテキストボックスを重ねた時に、フォントの大きさなど微調整をするとさらに美しく仕上がる。

⑫最後に円とテキストをグループ化するためにCtrlキーを押しながら円とテキストをクリックし両方選択し、【図形の書式】タブ［配置］セクションの［グループ化」をクリック

ここまでの手順で電子印鑑が作成できたので、後は図として保存し、必要な時にコピー&ペーストして使用する。

Excelで電子印鑑を作るメリット

Excelを使う方法以外にも電子印鑑の作り方はあるが、Excelで作ることで以下のメリットが得られるので、以下に説明する。

1. 費用が掛からない
2. 簡単に好みに合わせて作成できる
3. ペーパーレス化の促進につながる

1.費用が掛からない

Excelで作成する電子印鑑の1番のメリットは「コストが不要」な点である。

電子印鑑に関するサービスを利用すると利用料が発生するものが多い。これに対しExcelでの作成では、Excelをインストールしたパソコンがあれば作成できる。

そのため「費用をかけずに電子印鑑を使いたい」方に適している。

作成した電子印鑑は、エクセル・ワードのファイルはもちろん、PDFなどにも無料で使用可能である。

2.簡単に好みに合わせて作成できる

Excelの電子印鑑は、特殊な操作スキルがなくても簡単に作成できる。特別、仕上がりにこだわらなければ、作成に長時間を要することはなく、急きょ電子印鑑が必要になったとき、Excelならすぐに作成することが可能になる。

また形やフォント・色など、機能の範囲内なら自由自在に作ることができる。

3.ペーパーレス化の促進につながる

電子印鑑はデジタル書類にそのまま押印できるため、紙に出力する必要がなくなり、ペーパーレス化が実現します。脱ハンコ社会が広がりに合わせ、電子印鑑から徐々に移行するのもおすすめである。ペーパーレスになれば、別途保管場所を確保する必要がなく紙の書類を電子文書化し、押印は電子印鑑とする運用に切り替えることで、プリントアウトをして実際に押印する必要がなくなる。

このことにより、難しかったペーパーレス化を加速できる。

Excelで電子印鑑を作るデメリット

簡単に作成できるExcelの電子印鑑は便利で魅力的であるが、デメリットもある。

以下の2点について説明する。

1. 印影の偽造や画像流出のリスクがある
2. 使える場面と使えない場面がある

1.印影の偽造や画像流出のリスクがある

電子印鑑は誰でも簡単に作成できるので、勝手に作られたり使われたりして他人が自分になりすまして文書を作るリスクが高まる。印鑑はできるだけ厳重に保管・運用し、作成した画像が悪用されないよう、十分に気をつける必要がある。

2.使える場面と使えない場面がある

Excelなど、無料で作成した電子印鑑には印影に識別情報がないものが殆どのため、認印程度の役割の印鑑として使用する事はできる。

社内決裁用の書類に押印したいときなどは、Excelで作成した電子印鑑は便利である。

しかし、公的な書類（契約書など）や取引先への書類には基本的には使用できない。

また、電子印鑑に識別情報を持たせたいときは、有料ツールで作成することができる。

まとめ

電子印鑑はExcelで簡単に作成ができる。しかし、セキュリティ面やビジネスでの使用には、注意が必要となる。

文書の電子化により、電子印鑑を使用する機会は今後も増えると考えられるため、本記事で紹介した作成方法をぜひご活用いただきたい。

構成／編集部