キリンホールディングスは、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、計170の世界主要国および各地域における2022年のビール消費量をまとめて発表した。
この調査は1975年分から統計を開始している。
2022年の世界のビール総消費量は約1億9210万kl
2022年の世界のビール総消費量は新型コロナウイルス感染症の影響緩和により、前年から約540万kl(大びん633ml換算で約85億本)増え、約1億9210万kl(前年比2.9%増、大びん633ml換算で約3035億本)となった。
東京ドームをジョッキに見立てると、約155杯分(東京ドーム1杯は約124万kl)に相当する量だ。
1.国別ビール消費量
・中国(前年比1.0%増)が2003年から20年連続で1位となった。
・日本(前年比2.5%増)は2020年まで14年間7位だったが、2021年8位、2022年は10位に入った。
・上位25か国に入っていたウクライナ(前年比25.7%減)だが、2021年18位から2022年27位に順位を大きく落とした。
【解説】
・世界の総消費量は、約1億9,210万kl。新型コロナウイルス感染拡大などの影響を受ける国もあるものの、2021年に続き回復が見られ、前年比2.9%増となった。
・中国(前年比1.0%増)は20年連続で1位となった。その他の主要国を見ると、アメリカ(前年比4.2%減)、ロシア(前年比4.9%減)、イギリス(前年比0.4%減)はダウントレンド。
・2000年から上位25か国に入っていたウクライナ(前年比25.7%減)は、2021年18位から2022年27位に順位を大きく落とした。
・上位10か国でコロナ禍前の2019年(総消費量:約1億9,020万kl)と比較すると、アメリカ(19年比14.4%減)、ドイツ(19年比4.1%減)、イギリス(19年比2.7%減)、日本(19年比11.8%減)がマイナスで着地した。
2.地域別ビール消費量
・15年連続トップのアジア(前年比4.9%増)は、ベトナム(前年比27.0%増)、インド(前年比21.6%増)などが増加し、前年増になった。
【解説】
・地域別では、アジア(前年比4.9%増)の構成比が33.9%と、15年連続で1位。
・ 1位のアジア(前年比4.9%増)は、ベトナム(前年比27.0%増)、インド(前年比21.6%増)などが増加し、前年を上回った。
・2位のヨーロッパ(前年比0.8%増)は、ロシア(前年比4.9%減)、ウクライナ(前年比25.7%減)などが減少となるも、ドイツ(前年比3.2%増)、スペイン(前年比7.5%増)などが増加し、前年を上回った。
・3位の中南米(前年比6.2%増)は、ブラジル(前年比3.6%増)、メキシコ(前年比14.5%増)などが増加し、前年を上回った。
・4位の北米(前年比4.0%減)は、アメリカ(前年比4.2%減)、カナダ(前年比2.0%減)がそれぞれ減少し、前年を下回った。
3.国別一人当たりビール消費量
・チェコ共和国が188.5Lで、1993年から30年連続で1位を獲得した。
・上位35か国のうち、前年より消費量が減った国は8か国。
・日本は34.2L、大びん633ml換算で約54.0本(前年+1.5本)と前年増になった。
【解説】
・チェコ共和国は30年連続で1位となった。
・上位35か国では、消費が減った国は8か国。
・アイルランドは2021年15位から、2022年は4位と急伸長している。
出典
・各国ビール協会などへのアンケート調査 (同社が実施したもの)
・BarthHaas-Report-2022-2023 (BARTH−HAAS GROUP)
・Beer Market Data Extract 2023 (GlobalData Plc)
※調査期間:2022年1~12月
※2013年度以降、調査データ会社を変更したため、過去レポートと数値が合致しないこともある
・2021年、2022年の日本の消費量は株式会社醸造産業新聞社の推計による
※日本の消費量については、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計
構成/清水眞希