東京証券取引所が2020年1月に設置した「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」。同研究会によって、「親子上場」解消の動きは加速していくのか?
三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジストの市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「少数株主保護に関する東証の研究会~親子上場解消はさらに進展か」と題したマーケットレポートを公開した。レポートの詳細は以下の通り。
東証は2020年以降、研究会において親会社と子会社少数株主との利益相反問題などの議論
東京証券取引所(以下、東証)は、2020年1月に「従属上場会社における少数株主保護の在り方等に関する研究会」を設置した。
従属上場会社とは、支配的な株主である親会社を有する上場子会社のことで、研究会は2020年1月から8月まで4回、2023年1月から11月まで5回の会合を開催し、親会社と子会社を巡る諸問題などについて議論を継続してきた。
親会社とその子会社が、ともに株式を上場していることを「親子上場」という。親子上場には、社内の新規事業を分離し、子会社として上場させ、成長を促すという利点もある。
ただその一方で、親会社は、子会社の総株主議決権の過半数を有し、子会社の財務および事業の方針について、決定を支配している。そのため、親会社の利益が優先され、子会社の少数株主の利益が損なわれる、「利益相反」の問題が発生しやすくなる。
今後、少数株主保護のため親子関係にある上場会社などは情報開示拡充が求められる見通し
親子上場は、日本ではよくみられる形態だが、海外では多くない(図表1)。そのため、海外投資家からは、親会社が支配的な立場を利用しかねない親子上場について、企業統治(コーポレート・ガバナンス)上、問題があるとの声も聞かれる。
東証が前述の研究会を設置したのは、このような背景もあり、子会社における少数株主の正当な利益を保護するための制度整備などが話し合われてきた。
研究会の会合は直近で、2023年11月20日に開催されたが、同日「少数株主保護及びグループ経営に関する情報開示の充実について(案)」という資料が公表された。
それによると、東証は今後、親子関係にある上場会社(親会社、子会社とも)と持分法適用関係にある上場会社(上場関連会社を有する上場会社、その他の関係会社を有する上場会社)に、自発的な情報開示の拡充を要請する見通しだ(図表2)。
このような流れは投資家に好ましく、また企業側にも親子上場解消の動きが一段と広がる可能性
東証のこのような動きは、少数株主の保護に資するものであり、また、投資判断で重要なグループ経営の情報が広く開示されることも、投資家には極めて好ましい流れであると思われる。
また、企業側にも、親子上場の解消によって、コーポレート・ガバナンスを強化し、経営効率を高めようとする動きが一段と広がり、親子上場は減少傾向が続くことが予想される。
少数株主の保護強化や、グループ経営の情報開示拡充、あるいは親子上場の解消が、いずれも進展していく過程で、日本株の魅力は一段と向上すると考えられる。
なお、親子上場の解消方法としては、株式公開買い付け(TOB)などを通じた完全子会社化による上場廃止や、他社への売却がある。いずれの場合も、子会社の価格が市場価格を上回ることがあるため、引き続き多くの投資家が親子上場解消の動きに注目している。
出典元:三井住友DSアセットマネジメント
構成/こじへい
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「DIME Business Trend Summit」詳細
日時
1月24日(水)10:30~18:30(予定)
会場
KABUTO ONE(東京都中央区日本橋兜町7番1号)
東京メトロ東西線「茅場町」駅直結
JR線、東京メトロ丸の内線「東京」駅 八重洲北口 徒歩12分
東京メトロ銀座線・東西線、都営浅草線「日本橋」駅 D2出口 徒歩2分
成田空港から京成スカイライナー・東京メトロ銀座線「日本橋」駅利用 41分
羽田空港から東京モノレール・都営浅草線「日本橋」駅利用 20分
参加費
無料
応募の締め切り
リアル参加:2024年1月17日(水)23時59分
オンライン参加:2024年1月21日(日)23時59分