今年はコロナ5類移行によりオンラインから出社回帰への流れがあったほか、女性の管理職比率目標やリスキリング支援、インボイス制度の導入など、働く社会人にまつわるさまざまな制度や支援が変化した1年であった。
そして現在も所得税や賃上げに関する議論がされており、来年以降も働く環境の変化が予想される。厚生労働省によると、9月の実質賃金は前年同月比で2.4%減少し18ヶ月連続マイナスとなっている。
物価高もあり国民の生活も圧迫されるこの状況の中、今年1年間で社会人は働き方がどのように変化し、その変化や現状に対してどのような意識を持ったのだろうか。
そこでJob総研では、930人の社会人男女を対象に、1年間の働き方の変化と満足度、また年収・残業時間・出社状況の変化の有無及び増減、そして来年具体的に変えたいことなどを調査した「2023年 働き方変化の実態調査」を実施したので、結果をお伝えしよう。
今年にあった働き方変化内容は「年収・残業時間の増減」が上位
回答者全体の930人に今年の働き方の満足度を聞くと「満足派」が65.0%と過半数を占め、内訳は「とても満足」9.7%、「満足」20.8%、「どちらかといえば満足」34.5%となっている。
同回答者に2023年の働き方で具体的に変化があったことを聞くと「年収に増減があった」が49.8%で最多となり、次いで「残業量に変化があった」が24.6%、「出社状況の変化があった」が20.1%と、上位3つの回答となった。
続いて回答者全体の930人に今年の年収の増減を聞くと、「増えた」が52.2%と過半数を占め、「減った」20.0%、「変わらない」は27.8%という結果に。
年収が増えたと回答した485人に年収が上がった月を聞くと「4月」が29.3%で最多となり、次いで「6月」が24.9%、「10月」が23.1%。増額した平均額は119.2万円、中央値が50万円、最頻値が20万円となっていた。
回答者全体の930人に昨年と比較した今年の残業時間の増減を聞くと「増えた派」が62.0%と過半数を占め、内訳は「とても増えた」14.9%、「増えた」16.3%、「どちらかといえば増えた」30.8%となっている。
残業時間が増えたと回答した578人に残業時間が増加した月を聞くと「10月」が35.5%で最多となり、次いで「9月」が33.7%、「8月」が29.1%と続いた。
さらに1ヶ月あたりで増加した平均時間は10.3時間、中央値が10時間、最頻値が10時間という結果に。