Amazon Web Services(AWS)は、同社の年次イベント「AWS re:Invent 2023」にて、ビジネス向け生成AIアシスタント「Amazon Q」を発表した。
一般的なビジネスに対応する「Amazon Q Business」とITプロフェッショナル/開発者向けの「Amazon Q Builder」の2つの料金プランを用意
「Amazon Q」は、業務に合わせてカスタマイズできる新しいタイプの生成AIアシスタント。Amazon Q とチャットすると、タスクを合理化し、意思決定を迅速化し、職場での創造性とイノベーションを促進するのに役立つ関連情報とアドバイスが即座に提供される。
企業のデータ、情報、システムに接続することでビジネスに合わせてカスタマイズでき、マーケティング担当者や、プロジェクトおよびプログラムマネージャー、営業担当者などのビジネスユーザーは、カスタマイズされた会話を行なったり、問題を解決したり、コンテンツを生成したり、アクションを実行したりすることができるという。
また、「Amazon Q」は、基礎となるモデルをトレーニングするために企業顧客のコンテンツを使用することはないとのこと。AWS上で構築し、社内で作業し、ビジネスインテリジェンス (BI)、コンタクトセンター、サプライチェーン管理にAWSアプリケーションを使用する顧客に生成AIを活用した支援を提供し、あらゆる規模および業界の組織が生成AI を安全に使用できるようにするという。
料金プランは、一般的なビジネスに対応する「Amazon Q Business」とITプロフェッショナル/開発者向けの「Amazon Q Builder」の2種類を用意し、1ユーザーあたりの利用料金は「Amazon Q Business」が月額20ドル、「Amazon Q Builder」が月額25ドル。なお、現時点では、プレビュー版のみが利用可能となっている。
このほか、「AWS re:Invent 2023」では、次世代チップ「AWS Graviton4」と「AWS Trainium2」も発表。「Graviton4」は、幅広いクラウドワークロードに対応するこれまでで最も強力でエネルギー効率に優れたAWSプロセッサで、現行世代の「Graviton3」に比べて、最大で30%高い計算能力、50%多いコア数、75%高速なメモリ帯域を実現。
一方、「Trainium2」は、大数兆のパラメータを持つ基盤モデルと大規模言語モデルの高度トレーニングのために開発されたアクセラレーターで、第1世代の「Trainium」と比べて、最大で4倍高速なトレーニング性能と、3倍のメモリ容量を提供し、エネルギー効率(1ワットあたりの性能)を最大で2倍向上する設計となっている。
関連情報
https://aws.amazon.com/jp/q/
構成/立原尚子