小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

「とんでもございません」は正しい敬語ではない!?ビジネスパーソンなら覚えておきたい言い換え表現

2024.01.06
『とんでもございません』は、相手に謙遜の姿勢を伝えられる敬語表現です。仕事やビジネスでは、どのような場面で使うのが適切なのでしょうか。例文を挙げて、意味や正しい使い方を解説します。言い換え表現も併せてチェックしましょう。

「とんでもございません」は間違い?

『とんでもございません』は、仕事やビジネスシーンはもちろん、日常会話でもよく見聞きする表現です。ごく当たり前のように使われていますが、実は正しい敬語とは言えません。

■元の言葉は「とんでもない」

『とんでもございません』の『とんでもない』は『徒でもない(とでもない)』の音が変化した形容詞で、以下のような意味があります。

  1. 思いがけない(意外である気持ち)
  2. もってのほかである(非難する気持ち)
  3. 全くそうではない(相手の言葉を否定する気持ち)

『とんでもございません』は、相手の言葉を否定する意味で使われるのが一般的です。例えば、上司や先輩に称賛されたとき、謙遜の意味を込めて「とんでもございません」と返します。

■正しくは「とんでもないことでございます」

『とんでもございません』は文法的に誤った表現で、『とんでもないことでございます』が正解です。『とんでもない』で一語の形容詞であるため、本来であれば『とんでも』と『ない』を切り離せません。

従って、丁寧に言い換えようとすれば、『とんでもないことでございます』や『とんでもないです』が正しい表現といえます。とはいえ文化庁の『敬語の指針』というガイドラインによると、習慣として定着している一部の敬語表現は、使い方に誤りがあっても、使用上は問題がないとされています。

出典:敬語の指針|文化庁

「とんでもございません」の使い方

打ち合わせ

(出典) pixta.jp

前述の通り、今では『とんでもございません』は習慣化している言葉。仕事やビジネスでは、『とんでもございません』を使う機会が少なくありません。具体的な例文を挙げ、どのような場面で使われているのかを解説します。

■謙遜の意味で使う場合

目上の人やお客さまからお褒めの言葉をいただいたときは、『まだまだです』『もったいないお言葉です』といった謙遜の意味で使います。

【例文】

先輩:山田さんは仕事が丁寧で的確なので、安心して任せられます
自分:とんでもございません。先輩方のご指導のおかげです

上司:今日のプレゼンテーションは要点がまとまっていて素晴らしかったね
自分:とんでもございません。いつもサポートしてくださってありがとうございます

■相手の言葉を否定する場合

相手から感謝や謝罪の言葉があった場合、「その必要はありませんよ」と相手の言葉を柔らかく打ち消す意味で使います。『とんでもございません』だけで済ませると、相手の気持ちを拒絶しているように聞こえるため、気遣いの言葉を添えるのが望ましいでしょう。

【例文】

先輩:遅くまで手伝ってくれてありがとう。本当に助かりました
自分:とんでもございません。また何かありましたら、いつでもお声がけください

お客さま:子どもが迷惑をかけてしまい、申し訳ありませんでした
自分:とんでもございません。お気になさらないでください

「とんでもございません」の言い換え表現は?

商談

(出典) pixta.jp

『とんでもございません』は、他の表現にも言い換えられます。相手に対して否定的な表現を使いたくない人は、『恐れ入ります』『恐縮です』『光栄です』などと伝えてもよいでしょう。

■恐れ入ります

申し訳ない気持ちや感謝の気持ちを、敬意を持って示したい場合は『恐れ入ります』を使いましょう。『恐れ入る』は、恐縮する・申し訳なく思う・怖がる・脱帽する・あきれるなど、複数の意味を持つ言葉です。

目上の人から褒められたときや謝罪を受けたときは、『とんでもございません』と同じような使い方ができます。

【例文】

上司:気の利いた気配りができるね
自分:恐れ入ります。お褒めいただきありがとうございます

取引先:発注書にミスがあり、大変申し訳ございませんでした
自分:恐れ入ります。こちらも確認が足りず、失礼いたしました

■恐縮です

『恐縮(きょうしゅく)』とは、恐れるという意味の『恐』と、身がすくむという意味の『縮』から成り立っています。

本来は、恐怖で身がすくむことを意味しますが、現代では、ありがたさや申し訳なさ、気恥ずかしさなどを感じて、身がすくむような思いをすることを指します。相手から感謝されたときに『恐縮です』を使えば、謙遜の姿勢を示せるでしょう。

【例文】

上司:山田さんは、目の付けどころが違いますね。これからも期待しています
自分:大変恐縮です。お褒めの言葉をいただき、ありがとうございます

上司:(提出物について)誤字・脱字が一つもなく、内容も素晴らしいです
自分:恐縮です。これからも期待に応えられるよう尽力します

■光栄です

『光栄(こうえい)』とは、相手に褒められたり、重要な役目を任されたりして、名誉に思うことです。目上の人はもちろん、同僚や目下の相手にも使えるため、『とんでもございません』よりも活用シーンは多いでしょう。

より丁寧な表現をしたいときは、『光栄に存じます』を使います。『存じます』は、知っている・思っているの謙譲語『存じる』に、丁寧語の『ます』を付けた敬語です。

【例文】

上司:山田さんのアイデアで、とても魅力的なパッケージが完成しました。これからも頼りにしています
部下:お褒めの言葉をいただき、身に余る光栄です

お客さま:山田さんの丁寧なサポートのおかげで、長年の課題が解決しました
スタッフ:お褒めに預かり光栄です。今後ともよろしくお願いいたします

構成/編集部

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年11月15日(金) 発売

DIME最新号は「2024年ヒットの新法則!」、永尾柚乃、小田凱人、こっちのけんと他豪華インタビュー満載!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。