過酷な環境に晒されているビジネスパーソンの悩みは深い。だが、日々の課題の中にこそ人生を豊かにするためのヒントが詰まっている。異色の経歴を持つVTuberが、今回は周囲との〝結婚観〟の違いに悩む若人からのお悩みに答えます!
結婚願望への処方箋
20代前半男です。同期と飲みの席で、僕だけが結婚願望があることをイジられました。「コスパが悪い」「リスクばかり」「事実婚で十分」……僕って時代にそぐわないのでしょうか?
【結論】別におかしくないし、悩むほどのことでもない
したい人はすればいいし、したくない人はしなけりゃいい
まぁ……何といいますか。そんな思い詰めなくても良いような話だなと思ったのが相談を読んだ時の最初の感想です。
「結婚願望があることがおかしいのか?」という悩みを解決したい気持ちよりも、馬鹿にされたことに腹を立てて「かなえ先生に反論を手伝ってほしい」「かなえ先生に自分の考えが正しいと認めてもらいたい」という思惑を感じてしまいました。もしそういったつもりがないのであれば、申し訳ありません。
ただ、本当に結婚願望が強いことに悩んでいるのならば、私からは全く問題ないという回答をお送りいたします。結婚願望が強くなったきっかけなどの背景情報が記されていないのでざっくりとした回答で心苦しいのですが。
興味深い点としては、結婚願望があることをイジる飲み会の雰囲気です。少し前までは飲み会で既婚の上司などからの「独身イジり」のほうが多かったような……。今の若い人は結婚願望があることをイジるようになったのか、と軽いジェネレーションギャップを感じました。
正直、結婚したい人はすればいいし、結婚したくない人はしなくてもいいはず。それだけのことのように思いますが、アナタがこれからも嫌な思いをしなくても済むように飲み会の出席も最小限にすれば良いと思います。フツーに不快ですよね、そのイジり。
「結婚はリスク」は本当なのか?
さて、ここから少し相談から脱線するような話をしましょう。私が個人的に気になっていることです。相談内容にも含まれていますが、「結婚はコスパが悪い」「結婚はリスクが増える」というのは本当なのでしょうか。
まずは我が国の恋愛状況を確認してみましょう。参考にしたのは内閣府の出している令和4年度の男女共同参画白書です。それによると、「恋人として交際」した人数を聞いたところ、「恋人として交際」した人がいないと回答した20~30代の独身の女性は24.1%、独身の男性は37.6%だそうです。特に、交際経験がない20代の男性が4割近くとなっており、これは非常に驚くような数字です。
個人的には「モテない男性が増えている」という感じはしませんので、恋愛よりも楽しいことがたくさん増えていき、恋愛の重要度が相対的に低くなっているだけなのかなと思いました。
ここで少し話を戻しましょう。結婚のリスクについてです。
白書によると20〜30代の独身男性の積極的に結婚したいと思わない理由のトップ3は、
(1)結婚に縛られたくない、自由でいたいから(37.0%)
(2)結婚するほど好きな人に巡り合っていないから(36.2%)
(3)結婚生活を送る経済力がない・仕事が不安定だから(36.0%)
だそうです。
アナタの同期が口にする「コスパが悪い」や「リスクが増える」という意見は、こちらにも表われています。おそらく、質問者さんの周囲に「結婚なんてリスクだ」と考える人が増えてきており、一定数を超えてしまったので「結婚したい」という少数派をイジるようになったのでしょうね。