最近、お客がお店などに理不尽な要求を突き付ける「カスタマーハラスメント(通称・カスハラ)」が問題になっている。よくクレームと混同されるが、クレームはサービスへの不満や改善点を指摘することが根底にあり、悪いことではない。ちなみにクレームを入れた経験がある人のピークは50代だった(Data1)。
一方、様々な業種の労働組合からなる「UAゼンセン」では、企業に迷惑行為をしていた客の傾向を発表している(Data2)。こちらによると該当する人の7割以上が50代以上の高年齢層! 日本は高齢化社会とはいえ、なかなかのインパクトだ。
では日本人はどんな時に商品やサービスに不便を感じるのか? Data3によると圧倒的に多いのは「商品・サービスの品質や機能の問題」。これだけ見るとおかしなところはないが、興味深いのはData4のそれを「解決するために求めていたこと」。重視されるのは説明や気持ちで、「返金」はランク外なのだ。お金にがめつくないのは日本人の美徳かもしれないが、お金で解決するほうが楽な部分は、企業側だってあるだろう。近年お金ではなく誠意という曖昧な部分でしか満たされない人が、日本の高齢者には多いのだろうか。
Data1|男性よりも女性がやや多い。クレームのコア層は50代がピーク
■ サービスや商品について、苦情・クレームを言った経験
2017 日本労働組合総連合会「消費者行動に関する実態調査」より
クレームを入れた経験がある人は、男女比でいうと女性がやや多い結果に。とはいえクレームを入れることは決して悪いことではない。
Data2|様々な産業・業種の悪質クレーム。言われた側の認識は7割以上が高年齢層……
■ 迷惑行為をしていた顧客の推定年齢
■ 迷惑行為のきっかけとなった具体的な理由は?
2020 UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)発表
迷惑行為のきっかけで一番多いのが「接客やサービス提供のミス」ではなく「顧客の不満のはけ口・嫌がらせ」なのが切ない。男女比でいえばこちらは全体の74.8%が男性だそう。