自分で自分を認めることが「感じいい人」になる第一歩
−−確かに。言葉の言いかえもそうですが、行動面でも、臨機応変に対応できる人は好印象ですよね。ビジネスシーンはもちろん、日常生活の様々な場面で、そうした「感じいい」人に出会うたび、そうなりたいと思うのですが、どうすれば周りから感じよく思ってもらえるのでしょうか。
大野 まずは自分のことをしっかりと見つめ、自分の気持ちや考えを自覚することです。自分のことは自分が一番よくわかっていると思うかもしれませんが、なかなか難しいのが現実です。
−−わかっているようでわかっていない。
大野 そうなんです。私たちは社会生活の中で、「空気が読めないやつと思われたくない」「自分が我慢すれば丸く収まる」などという思いから、自分の本当の気持ちを抑え込みがちです。そうするうちに自分の本心がわからなくなる。自分の中ではっきり認識できないことは、伝え方が曖昧になり、さらに相手に結論を委ねるような言動になりがちです。「以心伝心」という言葉がありますが、残念ながらこれは幻想です。言葉は具体的に伝えなければ相手に伝わりません。
−−先ほどのメールの件もそうですね。ほかにも思い当たるところが多くあります……。
大野 コミュニケーションは、相手にどう思われるかより、自分の意思が、相手にきちんと伝わることのほうが重要。また、わかったつもりにならず、相手にも都度確認することも大切です。ですから、「感じのいい人」と思われるためには、まず自分のことを大切にできる「自分にとっての感じのいい自分」になることです。自分を大切にできる人は、周りの人も大切にできるからです。
−−まずは自分を認めることが大切なんですね。そうすれば周りを見る余裕ができて、思いやりをもった行動や言動ができる……。小社から9月30日に発売する、大野さんの最新刊『「感じがいい人』の行動図鑑』では、そんな「感じがいい人」が意識的、無意識的に身につけているコミュニケーションの事例を紹介しています。
大野 職場で、取引先で、オンラインで、など、ビジネスシーンを中心に65のポイントをまとめました。本書の中からこれならできると思うものを実践し、日々ないがしろにしがちな自分自身の気持ちに目を向けていただければと思います。
大野萌子さんの最新刊発売中
『仕事も、人間関係も、驚くほどうまくいく!「感じがいい人」の行動図鑑』
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感じがいい人がさりげなくやっている!
・心をつかむ「聞く7割・話す3割」テク
・返事や相づちの引き出しが豊富
・「なるはや」「お手すきの時に」など曖昧ワードを使わない
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など65のコミュニケーション術を実例とともに紹介!
著/大野萌子
発行/小学館
定価/1430円(税込)
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