地域別〜10地域中7地域で改善、好調な観光産業が各地のプラス材料
『東海』『九州』など10地域中7地域が改善、『東北』など3地域が悪化。都道府県別では28道府県が改善、19都県が悪化した。好調な観光産業のほか、主力産業の生産・販売の上向きが各地域のプラス要因となった。他方、一部では在庫増加による生産調整もみられた。
■東海(44.4)
前月比0.8ポイント増。3カ月ぶりに改善。域内4県のうち「三重」「静岡」「愛知」の3県が改善した。生産・出荷の回復がみられた自動車の販売が上向いた。観光客の回復とともに、大手百貨店の改装需要なども重なりアパレル小売が大きく改善した。
■九州(48.6)
同0.9ポイント増。2カ月ぶりに改善。域内8県のうち「沖縄」「大分」など7県が改善、「佐賀」が悪化した。観光産業が好調だったほか、「鹿児島」はかごしま国体の好影響もみられるなど、『九州』は9カ月連続で全10地域中トップを維持した。
■東北(41.4)
同0.1ポイント減、3カ月連続で悪化。域内6県のうち「山形」「岩手」など3県が悪化した。在庫調整にともなう生産減少など各種機械を含む『製造』が下押しした。一方で、紅葉シーズンに入り宿泊業や飲食店など『サービス』は堅調だった。
今月のポイント(1)〜最低賃金に関する企業の反応
2023年度の最低賃金は全国加重平均で1004円(前年度比43円増)。これを受け企業は賃上げほか、商品値上げやコスト削減などの対応を行なう。
個人消費にプラス材料といえるが、最低賃金の上昇にともなう人件費の増加は企業収益に悪影響となるといった声も複数あがっている。
今月のポイント(2)〜半導体に関する企業の動向
TSMC(熊本県菊陽町)など全国各地に半導体工場の投資計画が予定され、企業からは半導体関連の案件が増加といった声があがっている。
ただし、半導体の製造装置を製造する業界は、スマートフォンなどの販売一巡などから、直近の景況感は低調に推移している。
調査概要
調査期間/2023年10月18日~10月31日(インターネット調査)
調査対象/2万7052社、有効回答企業1万1506社、回答率42.5%
調査機関/株式会社帝国データバンク
関連情報
https://www.tdb-di.com/economic-trend-survey/ets202310.php
構成/清水眞希