帝国データバンクは、全国2万7052 社を対象に2023年10月の国内景気動向を調査・集計。景気DIとして発表した。
2023年10月の動向 〜小幅な改善
2023年10月の景気DIは前月比0.3ポイント増の44.7となり、3カ月ぶりに改善した。
国内景気は、活発な各種イベントやインバウンド需要に加えて半導体関連などがプラス材料となり、小幅ながら上向いた。
10月は、インバウンド需要や行楽シーズンによる国内旅行の好調を受け、各地の観光産業が景気の押し上げ要因となった。また企業系イベントやプロモーションの再開など、個人消費を喚起する動きが活発化。さらに半導体関連は引き続き好調だった。
他方、原材料価格の高止まりや慢性的な人手不足、在庫増加による生産調整、生活必需品の値上げなどは下押し要因となるなど、好悪材料が交錯するなかで力強さに欠ける状態が続いた。
今後の見通し〜横ばいで推移
今後は、最低賃金の引き上げによる所得増加が個人消費にプラス材料となるほか、設備投資やインバウンド需要の一段の拡大が見込まれる。またGX(グリーントランスフォーメーション)の推進や企業の業績改善、減税などを含む経済対策の実施などもプラス材料となりうる。
他方、人件費の増加や生活必需品価格の高止まり、人手不足の長期化、2024年問題などは下押し要因となる。また中東情勢の緊迫化や中国の不動産市場の動向など、為替動向を含め海外経済の動きにも注視する必要がある。
今後の国内景気は、海外情勢のリスクを抱えつつも、個人消費と設備投資が下支えし、横ばいで推移すると見込まれる。