2024年問題が迫る建設業と物流業 既に約7割が人手不足、うち約8割は従業員数が増加せず
働き方改革関連法案によって、建設業と物流業にも時間外労働の上限規制が適用されることで労働力不足の深刻化が懸念されている。いわゆる「2024年問題」である。
それぞれの業種について人手不足の現状を見ると、正社員において建設業では69.5%、物流業(道路貨物運送業)では68.4%の企業が人手不足を感じていた。
2024年問題を目前に、これから一層の人手不足が予想されるなかで、既に7割の企業が人手不足に陥っている結果となった。
建設業では資材価格、物流業ではエネルギー価格の上昇などによって収益が圧迫されているなかで、人件費に充てる分を捻出できないという声があがっており、人手不足の加速に拍車をかけている。
人手不足の解消には従業員数の増加が重要な一手となるが、人手不足を感じている企業のなかで、前年同月と比較して従業員数(正社員)が「増加した」と回答した割合は、建設業では21.0%、物流業では20.9%にとどまった。
従業員数が「変わらない」および「減少した」割合は両業種とも約8割にのぼり、働き手が限られるなかで今後も従業員数の増加させることは容易ではなく、両業種の人手不足は長期化することが予想される。
非正社員・業種別:飲食店と旅館・ホテルの人手不足割合が顕著に
非正社員の人手不足割合を業種別にみると、「飲食店」が82.0%で唯一8割を上回った。次いで、正社員では業種別でトップだった「旅館・ホテル」は73.5%と、非正社員でも2番目の高水準だった。
また、「人材派遣・紹介」(64.2%)では人手不足の高まりによる需要増によって、派遣人材の不足が表面化している。ほか、小売・サービス業を中心に個人向け業種が上位に並んだ。