一般的に宇宙へ向かうロケットは使い捨てが一般的である。しかし、イーロン・マスク率いるSpaceXのFalcon シリーズのように再使用が可能なロケットが登場し、経済合理性が高くエコだとして、注目を集めている。
■SpaxeXのFalcon
引用元:SpaceX
ところが、日本の宇宙開発事業全体を見渡すと、今年は、JAXAでのH3ロケットの打ち上げ失敗やエンジン燃焼試験中の爆発事故、民間初の月面着陸を目指していたispace社の月面着陸失敗など、宇宙ビジネス開発は暗礁に乗り上げてしまった感がある。
日本の宇宙ビジネスの現状を打破する光明はあるのだろうか。その考察を深めるべく、宇宙開発事業の今後の市場規模はいかほどか。本記事でまとめた。
■JAXAの手掛けるH3ロケットイメージ
引用元:JAXA
2023年3月7日に打ち上げたH3試験機1号機は第2段エンジンが着火せず、打ち上げは失敗した。
再利用可能ロケットを手掛けるSPACE WALKERはJALグループとの提携を発表
画像引用元:SPACE WALKER
2023年4月12日に再利用可能ロケット「SPACE PLANE」を手掛けるSPACE WALKERがJALグループの商社であるJALUXと資本業務提携を発表した。宇宙輸送システムなどで連携していくという。
SPACE WALKERは、東京理科大学発のスタートアップ企業で、JAXAのH3ロケットやSpace XのFalconシリーズとは異なる有翼式の再使用可能ロケットを手掛け、足下では2025年の実証実験を目指している。見た目は従来のスペースシャトルに似た形状をしているが、経済合理性が高くエコで、GX=グリーン・トランスフォーメーションを目指す社会で活躍する次世代型ロケットである。
堀江貴文氏が立ち上げたロケット開発企業「インターステラテクノロジーズ」に比べてまだまだ知名度が低いものの、学術的な知見の高さから技術的な信頼度が高い。この強みが功を奏し、JALグループとの提携に至ったとみられる。また同年4月20日には、JAXAからの資金調達も実現した。
暗礁に乗り上げた日本の宇宙ビジネスに、光が差し込むとよいのだが。
■インターステラテクノロジーズはすでに打ち上げ成功実績あり
画像は、2021年7月3日に同社が打ち上げた「ねじのロケット」で、無事宇宙空間への到達を果たした。同年8月2日にはTENGAロケットも無事打ち上げに成功している。