最高のリーダーは今いる人材で最高の組織を作れる
そして、令和は、栗山監督や森保監督のような非カリスマ的なマネジメントに徹する監督が活躍中だ。
さらにバスケ日本代表のトム・ホーバスHCや男子バレー日本代表のフィリップ・ブラン監督など「日本をよく知る外国人監督」たちも令和的リーダーの特徴だという。
「彼らは国内でコーチを経験するなど、日本をよく知っている。日本の良いところ、海外の良いところを仕分けしてチームを強くしている。ローカルからグローバルへの道筋の描き方をよく知っています」
こうみると、時代によって求められるリーダーが変わっていることに改めて気づかされる。もっとも、二宮氏は「真のリーダーはそんな時代の変化に従って自分自身を変えていける人物だろう」と付け加える。
「フランスの言葉に『最高の料理のために、最高の食材を選ぶのは2番目にいいシェフ。1番いいシェフは、今ある食材で最高の料理を作れる人間だ』というのがある。食材を〝人材〟に、料理を〝組織〟に置き換えると、最高のリーダーは何かが、見えてきますよね」
写真:東京スポーツ/アフロ
栗山監督は野村(克也)チルドレンを公言。過去に学ぶ姿勢がにじむ。
[令和のリーダー]〝仕分け名人〟型
WBCで米国を下し優勝 栗山英樹
W杯2大会連続ベスト16 森保 一
バスケ日本代表が快挙 トム・ホーバス
日本人らしい粘り強さや組織力、平成の時代にグローバル化によって学んだ世界レベルの戦術と練習法。その両方を、「何が今、必要で、必要ではないか」という点で仕分けしてチームを作り上げるクレバーな監督が台頭。今も進化中だ。
取材・文/箱田高樹