法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスターから中国不動産業 危ない企業ランキング」が発表された。
2021年、中国を代表する不動産グループである「恒大グループ」が債務不履行(デフォルト)に陥り、中国国内のみならず、世界中に衝撃を与えた。中国の経済成長の約4分の1を不動産分野が支えていると言われている中で、同グループに続いて中国国内の不動産業者で債務不履行が発生している。
そこで今回、リスクモンスターでは中国不動産業における危ない企業、つまりは倒産に至りそうな企業についてランキングを作成。2023年上半期で不動産業の売上業績TOP50にランクインした企業の中で、2022年12月期の財務情報を確認できた39社を評価している。
なお、今回の調査対象である39社は、中国の不動産業法人数169万1912社(2022年3月時点)のうち、売上高上位約2%に属する企業になる。
(1)収益性部門〜増減益率は調査対象39社のうち26社において前年度を下回っている
純利益率では、8社において効率的な利益創出ができずに赤字計上となっている。ワースト1位の「合景泰富集團控股有限公司」(▲73.16%)では売上高の7割を超える赤字額となっており、2位「金科地产集团股份有限公司」(▲43.19%)と、30ポイント近い差が生じている。(表1)
2022年12月期の純利益と2021年12月期の純利益と比較した増減益率では、調査対象39社のうち26社において前年度を下回っていることから、不動産業の収益性は悪化傾向にある様子が推察できる。
ワーストランキングの上位7社は、黒字決算から赤字決算に転落したことで増減益率が▲100%以上となっており、ワースト1位の「合景泰富集團控股有限公司」では、2021年12月期純利益額の4倍近い赤字を計上している。
連続での赤字計上や急激な大幅赤字への転落は、安全性や資金繰りに与える影響が大きく、倒産の懸念も高まるため、取引には一層の注意が必要だ。(表2)