Adecco Groupの日本法人で、総合人事・人財サービスを展開するアデコは、日本全国の企業の人事担当者600人を対象にした「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)に関する調査」を実施。回答結果をグラフにまとめて発表した。
全体の半数以上の企業が2020年以降にD&I推進の取り組みを開始
日本全国の企業の人事担当者600人に対し、あなたの勤務先では、いつごろから「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I」)」推進の取り組みを行なっていますか?」と質問したところ、全体の半数以上にあたる52.3%が「2020年以降」と回答した。
■8割以上の人事担当者が「過去1年間にD&Iの取り組みが拡大した」と回答
「あなたの勤務先では、過去1年間に「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I」)」推進の取り組みが拡大もしくは縮小しましたか?」と質問したところ、8割以上となる86.8%が「拡大した」(拡大した:39.3%、どちらかといえば拡大した:47.5%)と回答した。
■D&I推進でもっとも注力しているテーマは「育児・看護・介護支援」
「あなたの勤務先では、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I」)」に関するどのようなテーマの推進について取り組んでいますか?もっとも注力して取り組んでいるものをひとつ選んでください」と質問したところ、「育児・看護・介護支援」が31.8%で最上位となった。
■D&I推進のための専門の部署を設置している企業は全体の約3割
「あなたの勤務先には、「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I」)」の取り組みを推進する専門の部署(D&Iの推進のみを業務としている部署)がありますか?」と質問したところ、「専門の部署がある」と回答した人事担当者が34.5%、「専門の部署はないが、担当部署が決まっている」との回答が43.7%という結果になった。
■D&Iの取り組みを推進するにあたってのもっとも大きな課題は「効果測定や成果の可視化」
「あなたの勤務先で「ダイバーシティ&インクルージョン(D&I」)」の取り組みを推進するにあたっての課題は何ですか?もっとも大きな課題をひとつ選んでください」と質問したところ、「効果測定や成果の可視化が難しい」が18.3%で最も多い回答となった。
調査結果まとめ
アデコ株式会 ピープルバリュー本部長 籾山 直威 氏
「市場のグローバル化や顧客の価値観の多様化が急速に進む昨今、顧客の多様なニーズをとらえながら、イノベーションの創出や生産性の向上を実現するため、ダイバーシティ&インクルージョン(以下「D&I」)の重要性は飛躍的に高まっています。
また、人的資本経営の推進という観点からも、D&Iは重要な施策であると考えられています。このことは、今回我々が行った調査で、半数以上の企業が2020年以降にD&I推進の取り組みを開始したと回答したことや、8割以上の企業が過去1年間にD&I推進の取り組みを拡大したと回答したことに良く現れています。
今回の調査で、D&I推進において現在企業がもっとも注力しているテーマは「育児・看護・介護支援」であることがわかりました。働く女性が増え、いわゆる『M字カーブ』が解消したことや、高齢化による看護・介護の重要性および必要性の高まりを受け、働き手がいきいきと働けるよう対策を講じる企業が増えていると考えられます。
D&I推進にあたっての課題としては、『効果測定や成果の可視化が難しい』がトップになりました。活動を行う際には目的を明確にして、数値を含めた目標を設定したうえでアクションを実施し、全体およびセグメントごとのサーベイを継続的に実施して次のアクションにつなげるといった長期的なスパンで進めることが重要です。
近年ではダイバーシティとインクルージョンに加えて、エクイティの重要性も指摘されており、DE&Iとして取り組む企業も増えています。当社でも『ダイバーシティ・エクイティ&インクル―ジョン宣言』のもと、活動を展開しています。
今後も社内向けに活動を行うだけでなく、社外に対してもDE&Iに関する発信や活動を継続し、弊社のビジョン『人財躍動化を通じて、社会を変える』を実現していきたいと考えています。
関連情報
https://www.adeccogroup.jp
構成/清水眞希