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LINEヤフーはGAFAMを倒すビッグテックになり得るか?

2023.12.26

日本の経済力アップに欠かせないIT産業。その先頭集団にいるLINEヤフーが、GAFAMに匹敵し世界を席巻する日は来るのだろうか。2人の専門家に戦略を聞いて見えてきた課題とは?

発売中のDIMEではLINEヤフーの合併の舞台裏、合併による変化などを詳しく分析、さらに家電量販店やスーパー、ふるさと納税などで使える得するポイントのウラ技を紹介していますので是非チェックしてみてください!

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LINE・若者・ブランドの3戦略でまずは国内覇権を握れ

 テクノロジーで世界全体に影響を与える巨大企業GAFAM(グーグル・アマゾン・アップル・フェイスブック=メタ社・マイクロソフトの総称)に対し、ほぼ日本のみを拠点にしてきたLINEヤフーが、彼らと肩を並べるにはどうすべきか。2人の識者は「まず楽天との覇権争いに勝たなければ話になりません」と口を揃える。そのために必要な戦略は上掲した6つの勝ち筋にまとめた。

 キーワードは(1)『LINE』のマネタイズ、(2)20代以下の『若者』層の取り込み、(3)『ブランド』の認知と統廃合戦略だ。

 打倒楽天には「金融関連のPayPay、ネットサービスのヤフー、コミュニケーションのLINEとユーザーもブランドも分散する中で、ユーザーの認知度を高め、シェア№1を持つ決済アプリPayPayを軸に経済圏を作れるかがカギ」(鈴木さん)であり、モバイル通信で出遅れている楽天に対して「ソフトバンクの通信サービスと、LINEヤフーのライフスタイル向けサービスとで、どうシナジー効果を発揮できるかが戦略の要となるでしょう」(大西さん)。

2人の識者が考えるLINEヤフーの勝ち筋はこれだ!

国内外での〝ブランディング〟戦略に注目
システム統合はマストではない。ヤフー・PayPay・LINEの3ブランドでサービス展開をしながら知名度をどう上げていくか。ブランディング戦略が重要な成功因子でしょう。

鈴木淳也さんITジャーナリスト
鈴木淳也さん
メーカー系エンジニア経験を持ち、特に決済分野の造詣が深いITジャーナリストとして、国内テック系メディアに多数の寄稿をする。

通信サービス×ライフスタイルの経済圏がカギ
親会社ソフトバンクの通信サービスからLINEヤフーのコマース領域まで〝ワンストップ〟で使えるプラットフォームが実現できれば、GAFAMに比肩する未来が現実味を帯びてきます。

大西康之さんノンフィクション作家
大西康之さん
日本経済新聞社の編集委員などを経て2016年に独立。『最後の海賊 楽天・三木谷浩史はなぜ嫌われるのか』(小学館)など著書多数。

【勝ち筋 1】資産形成から消費へシームレスにつなげた経済圏を作る

LINEヤフー経済圏の中で、お金の流れの最大し消費を促すためには、「PayPayブランドの金融サービスで資産形成する人をいかにヤフーでの消費に結びつけられるかにかかっています」(鈴木さん)

【勝ち筋 2】ユーザーごとに最適化した〝スーパーアプリ〟戦略

「PayPayひとつで何でもできる〝スーパーアプリ〟は、機能が多くなるとその分複雑化し使いづらくなるリスクがある。ユーザーがよく使う機能を提案するなど最適化が必要です」(鈴木さん)

【勝ち筋 3】20代以下の若年層を取り込みサービス利用で囲い込む

1990年代から存在するヤフーの利用者の平均年齢は上がる一方だ。「LINEも含め、若者向けのサービス領域で出遅れている動画関連に力を入れつつ、金融やEコマースの利用促進が課題です」(鈴木さん)

【勝ち筋 4】PayPay・ヤフー・LINEの3ブランドの絡まりを解消せよ

「そもそも群雄割拠するがごとくこれらの3ブランドが絡み合っており、ユーザー視点ではわかりづらすぎます」(大西さん)。楽天の一枚岩さに対抗できるほどの分かりやすさが必要だろう。

【勝ち筋 5】Yahoo!ショッピングのさらなるイメージアップ・利用拡大

「ヤフーは出店料が無料ゆえ、玉石混交な出店者が集まる。『ヤフーには良いものがない』というイメージをユーザーが抱きやすくなっています」(大西さん)。セレクトショップなどで付加価値拡大が必須だ。

【勝ち筋 6】覇権を握るが収益力が少ないLINEのマネタイズを強化する

「無料で使えてかつユーザー数が膨大なLINEから、いかにお金を落とすサービスに誘導するか。楽天よりも明確に強い領域なので、合併後のシナジーが最も必要なところです」(大西さん)

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