小学館IDをお持ちの方はこちらから
ログイン
初めてご利用の方
小学館IDにご登録いただくと限定イベントへの参加や読者プレゼントにお申し込み頂くことができます。また、定期にメールマガジンでお気に入りジャンルの最新情報をお届け致します。
新規登録
人気のタグ
おすすめのサイト
企業ニュース

U-NEXTを運営するUSEN-NEXT HOLDINGSが好調な業績を維持している理由

2023.11.27

USENなどを子会社に持つUSEN-NEXT HOLDINGSの業績が好調です。2023年8月期は2桁増収増益となりました。

好業績をけん引しているのが、動画配信サービスU-NEXT。U-NEXTは国内の動画配信サービスにおいて、Netflixに次ぐシェア第2位を獲得しています。

更に2023年3月にはParaviを運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパンを買収。会員数は400万近くまで拡大しました。

群雄割拠する動画配信サービス

広告モデルGyaOがサービス終了する裏で会員数を伸ばした

USEN-NEXT HOLDINGSの2023年8月期の売上高は前期比16.1%増の2,7763億円、営業利益は同24.5%増の215億円でした。2024年8月期の売上高は前期比8.6%増の3,000億円、営業利益は同11.3%増の240億円を予想しています。

2023年8月期の動画配信サービス事業の売上高は851億円で、全体の3割を占めています。2020年8月期の売上高は458億円。売上構成比率は2割程度でした。当時は飲食店などに音楽を配信する店舗サービス事業が売上構成比率のトップを占めており、主力事業としての存在感がありました。

しかし、今では動画配信サービスの売上高が、店舗サービスの1.3倍にまで成長しています。コロナ禍による巣ごもり特需で動画配信サービスに追い風が吹いたことと、飲食店の勢いが失われたことで、立ち位置は完全に逆転しました。

宇野社長が動画配信サービスに手をつけたのが、2005年4月に開始したGyaO。当時はスマートフォンが普及する前で、主にパソコンへの配信が中心でした。カラオケ映像や転職情報の配信を行うなど、先進的な取り組みを行っていましたが、ユーザー数を伸ばしきることができずにGyaOは2009年4月にヤフーへと移管します。

GyaOは広告収入が基本でしたが、USENは有料動画配信サービスGyaO NEXTを2007年に開始していました。これが後にU-NEXTへと変化します。

なお、ヤフーへと移ったGyaOは2023年1月にサービスを終了しています。広告と有料というビジネスモデルの違いが、サービスの命運を大きく分けました。

広告宣伝費は売上高の1割まで下がる

実はUSEN-NEXT HOLDINGSの動画配信事業は、コロナ禍を迎えるまではほとんど利益が出ていませんでした。

売上高が前期の1.4倍に急増した2020年8月期でさえも、営業利益率は1.6%しかありません。長い間、上場企業がほとんど利益も出ない事業を継続することは、並大抵のことではありません。しかも、国内ではNetflixやAmazonプライム・ビデオが隆盛を極めています。宇野社長が動画配信の将来性を信じ、事業を続けた成果がコロナ禍という追い風の中で花開きました。

■動画配信事業の業績推移

決算説明資料より

コロナ禍以降の2021年8月期は、営業利益率が9.6%となって稼ぐ力を急速に高めています。

動画配信サービスは、コンテンツの仕入れにかかる原価が重いという特徴があります。Netflixの原価率は6割程度。USEN-NEXT HOLDINGSは事業別の原価を開示していませんが、U-NEXTは自前のコンテンツを作っていないため、原価率はNetflixよりも高い可能性があります。

更に莫大な広告宣伝費を投じてユーザーを獲得しなければなりません。原価を削ることができないため、利益を出す一番のポイントが広告宣伝費の抑制です。U-NEXTは売上高の2割程度を広告に使っていましたが、現在は1割程度まで下がってきました。

■広告宣伝費の推移

決算説明資料より

USEN-NEXT HOLDINGSは十分なユーザーを獲得できており、損益分岐点を超えて収益性を高める第2のステージへと入りました。

@DIMEのSNSアカウントをフォローしよう!

DIME最新号

最新号
2024年4月16日(火) 発売

DIME最新号は「名探偵コナン」特集!進化を続ける人気作品の魅力、制作の舞台裏まで徹底取材!

人気のタグ

おすすめのサイト

ページトップへ

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。詳しくは[ABJマーク]または[電子出版制作・流通協議会]で検索してください。