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2024年度からオープン!武蔵野大学が目指す「メタバースキャンパス」の可能性

2023.11.24

2021年10月、Facebookは社名をMetaに変更することを発表。世界中で「メタバース」はブームとなった。それから3年。メタバースという言葉に対する認知度は広まったものの、メタバースの活用を実感する機会はそれほど多くない。多くの企業、業界がメタバースの活用に苦労しているように見受けられる。

その中でも、メタバースを上手に活用している場がある。「大学教育」だ。いま、国内外の大学でメタバースを活用した教育が盛んに行なわれている。

そうした事例の一つ、2024年度からメタバースキャンパスのオープンを発表した武蔵野大学にメタバースキャンパス、そしてメタバースと教育の可能性について話を聞いた。

武蔵野大学は来年度からウェルビーイング学部を開設することでも話題に

メタバースキャンパスでは授業だけでなく、大学祭やオープンキャンパスも

1924年に設立された武蔵野大学は2024年の創立100周年を機に、2024年度中に現実の立地・距離感を超越した交流の場を提供するために本学4つ目のキャンパスをメタバース上に開設すると発表した。

武蔵野大学の経営企画部広報課に話を聞いた。

――メタバースキャンパスとはどのようなものなのでしょうか

具体的には、2Dメタバースを利用し、PC、スマホ、タブレットなど様々なデバイスを使って容易に、いつでもどこからでも負担少なくアクセスすることができます。自身の分身であるアバターでメタバース空間を自由自在に動きながら、国籍、年齢、立場などを超越し、フラットに他の人と交流し、新たな人間関係を醸成することができます。

――学生・教員はどのようなケース、目的で利用すると想定しているのでしょう

メタバースキャンパスにおいては、授業の実施はもちろん、大学祭・入学式・オープンキャンパスなどの大規模イベント、地方や海外大学との共同ゼミや共同研究・サークル活動・懇親会などのメンバーが固定されたイベント、図書館・部室・自習室などの居場所としての活用など物理キャンパスで体験する学生生活のほとんどをメタバースキャンパスで実現予定です。また、メタバースキャンパスは天災など有事の際の代替キャンパスとして危機管理の役割を持つと共に、物理キャンパスの仮想的なモデルをオンライン上で実験できるなど、学生と一緒に理想のキャンパス作りを行うことも可能であると考えています。

メタバースキャンパスは武蔵野・有明・千代田に続く第4のキャンパス

オンライン授業の限界とメタバースだからできるコミュニケーション

――武蔵野大学ではオンライン授業など、すでに場所にとらわれない教育は実践されているかと思います。メタバースを必要とする理由教えていただけますか

WEB会議ツールを用いた交流は、あらかじめ時間を設定し開始するなど、事前の計画や時間の制約が必要となります。それに対し、メタバースでは自分の都合の良い時間に登校し偶然出会った人と立ち話をするなど物理キャンパスで発生するコミュニケーションが可能となります。あたかもその場にいるように他者と関われる点は、他のツールにはない特長だと思います。

また、WEB会議ツールでは複数人で同時に会話しづらく、基本的には1対Nの対話方式となってしまいますが、メタバース上では複数人で同時に会話しやすく、N対Nの対話が可能であるため、より自然なコミュニケーションを取ることが可能です。加えて、メタバース上では自分で自由に動きながら様々な人と交流できる機会が持てますので、キャンパスという交流の場を創出するにはメタバースの活用が有用であると考えております。

メタバースキャンパスでのコミュニケーションイメージ

加えて、メタバースキャンパスはオンライン授業を実施するためだけのものではなく、学生生活の全てを体験する場となるため、オンライン授業と単純に比較できるものではないと考えております。

単に講義を受けるだけならどのツールでもできますが、複数人で双方向のコミュニケーションが取りやすいなど、特にアクティブラーニングを取り入れた授業において、既存のオンライン授業で取りざたされているコミュニケーションの課題は少なくなります。

ハードルの高さを乗り越えた先にある新たな教育の機会

――反対にメタバースキャンパスにはどのような課題がありますか

機材やWi-Fi環境を自分で準備しなくてはならないことと併せ、利活用にあたっては個人のITスキルに依存する部分があり、日進月歩で進化するメタバースの技術進化と多くの人が利用できる利便性のバランスをどのように取っていくかということが課題です。

また、メタバース利用に対するハードルの高さ(難しいのではないかという先入観)からくる利用促進及び定着の工夫が必要と考えております。

――最後に、武蔵野大学様が描く、メタバースと教育の可能性について教えください

オンラインという現実の立地・距離感を超越して世界中の人と交流が可能であるメリットを最大限に活かし、大学のキャンパスが担う役割である交流の場を今までには実現不可能であった広い範囲で提供することを目指しています。

人生100年時代において、生涯に渡る学修・リスキリングが必要となっている今、学修者が自分に適した学修及び交流の場の選択肢を増やすことが可能になるということで、教育においてメタバースはますます重要性を増していくと考えております。

***

取材の中で筆者が特にメタバースの有用性に共感したのが「メタバース上では複数人で同時に会話しやすく、N対Nの対話が可能である」という点だ。

大学のオンライン授業がそうであるように、ビジネス会議の場でもweb会議ツールは複数人で同時にコミュニケーションをとる際に不便に感じる場面は多々ある。

もしかしたら、こうした場面でのメタバース活用がメタバースを広く浸透させるカギになるかもしれない。

その先駆者たる大学教育、そして武蔵野大学のメタバース活用に今後も注目していきたい。

取材・文/峯亮佑

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