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国内企業の中間決算は円安や人流回復を追い風に好調に推移

2023.11.24

三井住友DSアセットマネジメントはこのほど、同社チーフマーケットストラテジストの市川雅浩氏がその時々の市場動向を解説する「市川レポート」の最新版として、「国内企業の中間決算総括~株価の支援材料に」と題したマーケットレポートを公開した。レポートの詳細は以下の通り。

4-9月期決算は増収増益の着地、円安進行や国内の人流の回復、値上げ浸透などが追い風に

東証株価指数(TOPIX)を構成する3月期決算企業(金融とソフトバンクグループを除く)のうち、11月15日までに2023年度4-9月期の決算を開示した企業は1,300社を超え、開示率は99%超となり、決算発表はほぼ終了した。

前年同期比の実績をみると、売上高は4.1%増、営業利益は20.6%増、経常利益は9.3%増、純利益は10.1%増と、増収増益の着地だった。

製造業・非製造業の区分では、製造業が順に6.3%増、6.6%増、4.9%増、12.4%増、非製造業は1.3%増、46.3%増、15.0%増、7.3%増と、いずれも増収増益だった。

2023年度4-9月期の決算は、総じて良好な内容と判断されるが、この背景には、円安の進行や供給制約の改善、国内で新型コロナウイルスの5類移行に伴う人流の回復、値上げの浸透などがあると思われる。

電気・ガス業、輸送用機器は経常利益プラス寄与、中国景気減速で海運業などはマイナス寄与

全体の経常利益は、前述の通り前年同期比で9.3%増だったが、業種別に寄与度をみると、プラス寄与の大きい上位5業種は、電気・ガス業(10.8%ポイント、以下pt)、輸送用機器(9.9%pt)、陸運業(1.7%pt)、情報・通信業(0.7%pt)、空運業(0.7%pt)となった。

電気・ガス業では電力料金の引き上げなどが業績の押し上げ要因となり、輸送用機器では円安の進行や供給制約の緩和により自動車の好調が目立った。

一方で、マイナス寄与の大きい上位5業種は、海運業(-5.6%pt)、電気機器(-2.5%pt)、卸売業(-2.5%pt)、化学(-2.0%pt)、石油石炭製品(-1.3%pt)となった。

海運業は中国や欧州の景気減速で、コンテナ船市況の低迷が影響し、電気機器では中国向け売上高の大きい電子部品、工作機械の業績を圧迫した。また、化学も汎用石油化学製品が中国の需要減に対応できず、苦戦を強いられた。

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