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近年では、就業中の服装に『ビジネスカジュアル』を取り入れる企業が増えていますが、どのような服装が適しているのか分からず悩んでいる人もいるでしょう。ビジネスカジュアルの定義やアイテムの選び方、コーディネートの例、注意点を紹介します。服装選びの参考にしましょう。
ビジネスカジュアルとは
『ビジネスカジュアル』とは、具体的にどのようなスタイルを指すのでしょうか?混同しがちな『オフィスカジュアル』との違いも確認しましょう。
■スーツよりもリラックスしたスタイルのこと
ビジネスカジュアルは、基本的にビジネスシーンで着用するスタイルを指します。ビジネススタイルを基本とし、フォーマルすぎずカジュアルすぎない、リラックスしたスタイルです。つまり、スーツほど固くはないものの、休日などに着るプライベートの服装よりはきちんとしたスタイルなのが特徴といえるでしょう。
なお、ビジネスカジュアルに明確な定義はありませんが、基本的なマナーはあります。ビジネスシーンで着用するため、来客の対応をするときなどに失礼のないスタイルであることが大切です。
■オフィスカジュアルとの違いは?
オフィスカジュアルも明確な定義はありませんが、ビジネスカジュアルをさらにカジュアルにしたスタイルです。オフィスカジュアルは、社内だけで着用することを想定したスタイルですが、ビジネスカジュアルは社内だけでなく、来客対応や取引先への訪問にもふさわしいスタイルという違いがあります。
企業によって異なるものの、基本的には総務や人事など社外の人と会う機会のない内勤者向けに取り入れられています。Tシャツやスニーカーなど、ラフなスタイルでの勤務が認められている企業もあるようです。
ビジネスカジュアルのアイテムの選び方
ビジネスカジュアルがどのようなスタイルなのか理解しても、実際にアイテムを選ぶ際に悩む人は少なくありません。シャツやパンツなど、アイテム別に選び方を紹介します。
■シャツ
スーツと合わせるドレスシャツではなく、幾分カジュアルなシャツを選びましょう。複数の種類がありますが、オックスフォード生地やシャンブレー生地などを使ったシャツが定番です。
ラフな印象になる、襟先にボタンが付いたボタンダウンシャツやブルーやストライプといった色柄のシャツを着用するケースも珍しくありません。
ポロシャツも選択肢の一つです。通常のポロシャツ以外にも、ビズポロと呼ばれるビジネスシーン向けのポロシャツもあります。台襟が付いており、シャツに近い印象なのが特徴です。
■パンツ
スーツパンツのようなスラックスでも、クリース(センタープレス)やタックが入っていないスタイルであれば、少しカジュアルな印象になります。丈が短いほどカジュアル感が増すという点も、覚えておくと役立つでしょう。
会社や職種によっては、チノパンやジーンズの着用が可能というケースもあります。チノパンはスラックスよりもカジュアル、ジーンズよりフォーマルなパンツで、合わせるシャツやジャケットによって印象を変えられるのがメリットです。
ジーンズには、デニムスラックスと呼ばれるクリースが入ったタイプもあり、カジュアルすぎないコーディネートができます。
■ジャケット
テーラードジャケットの中でカジュアルなアイテムを選ぶ場合は、肩パットや芯地が入っていないタイプがおすすめです。リネンやコットンといった素材を選ぶと、カジュアル感を出しながらスタイリッシュな印象になります。少しフォーマルな印象にコーディネートしたいときは、品のあるウール素材が適しています。
色はグレーやネイビーなど、落ち着いた雰囲気を演出できる色を選びましょう。ビジネスシーンに自然となじむベーシックカラーであるというだけでなく、着回しがしやすく便利です。チェック柄など、生地に柄や表情があるタイプも、おしゃれにカジュアル感を出せるので使い勝手が良いでしょう。
■シューズ
ビジネスカジュアルでは、ひも付きの革靴だけでなく、ローファーやスエード素材の靴も履けます。また、キャンバス素材のスニーカーは着用できなくても、上質感のあるレザースニーカーであれば着用可能という企業もあるでしょう。
ソールの素材でもカジュアル感を演出できます。例えば、革ではなくゴムやラバーのソールを選ぶだけで、ラフな印象になります。
カラーは黒やネイビー、ブラウンなどのベーシックカラーがおすすめです。ビジネスシーンにふさわしいカラーであるだけでなく、コーディネートもしやすいでしょう。
■バッグ
通常のビジネスシーンで使える定番のバッグといえば、ブリーフケースです。シックな印象のレザー素材だけでなく、丈夫で汚れにくいナイロン素材のものもあります。
ブリーフケース・ショルダー・リュックの3通りの使い方ができる3WAYバッグは、使う状況に合わせて使い分けたい人におすすめです。プライベートでも使いやすいトートバッグも人気です。レザー素材のものであれば、ビジネスシーンでも使いやすいでしょう。
近年はリュックも見かけます。機能性に優れたタイプやスタイリッシュなデザインのものなど、多種多様なリュックが販売されています。
いずれの場合も落ち着いたカラーを選ぶと、服装とのバランスが良いでしょう。収納力も考慮して選ぶと、使いやすさが増します。
ビジネスカジュアルのコーデ例
ビジネスカジュアルに慣れていない人や普段とは違ったコーディネートをしてみたい人に向けて、コーデ例を紹介します。コーデ例を参考にアレンジして楽しみましょう。
■清潔感のあるシャツスタイル
光沢感のあるシャツなど、カジュアルすぎない上品なシャツを合わせるだけで、スタイリッシュな着こなしになります。春夏は明るく爽やかなカラー、秋冬は落ち着いたカラーなど、季節に合わせてシャツの色味を選ぶと、おしゃれな印象になります。
ジャケットやパンツはビジネスシーンにふさわしい黒やグレーなどのベーシックカラーにし、インナーにカラーを入れて、さりげないアクセントにするのもおすすめです。
また、ニットベストを重ねると、おしゃれなビジネスカジュアルスタイルに仕上がります。明るめのシャツと合わせたり、シャツをタックアウトしたりすると、こなれた感じの着こなしになるでしょう。
■インナーに一工夫プラス
テーラードジャケットにシャツを合わせるのが定番ですが、インナーをほかのものにすると抜け感をプラスできます。例えば寒い時期であればタートルネックがおすすめです。ハイゲージニットを選べば、上品でスマートな印象のある着こなしになります。
ポロシャツはシャツのように襟が付いているので、程よく着崩せます。上品さを残したいときはビズポロを選びましょう。
Tシャツは、よりラフでリラックスした印象にしたい場合に適しています。ジャケットとパンツの色を合わせるなど統一感があると、スタイリッシュな印象に仕上がります。
ビジネスカジュアルのポイント
ビジネスカジュアルの服装を選ぶ際に意識したいポイントを紹介します。周りから常識がないと思われないように、事前に確認しておきましょう。
■TPOに合った服装を選ぶ
ビジネスカジュアルには明確な定義がないため、企業によって捉え方が異なります。アイテムの選び方やコーデは、あくまでも一例に過ぎません。それぞれの職場の雰囲気やシーンに合わせた服装を意識することが大切です。
例えば、転職先がビジネスカジュアルを推奨している場合は、同じ部署の人たちのコーディネートを参考にして、どの程度カジュアルにして良いのか判断しましょう。
周囲の人たちがシャツ以外は着用していないのであれば、自分も同様にシャツスタイルに合わせるのが無難です。自分だけTシャツを着用すると、常識外れだと思われる可能性もあるため注意しましょう。
■サイズ感やカラーを意識
カジュアルといえどもビジネスシーンでの服装であるため、だらしない印象にならないように気を付けることが大切です。特に気を付けたいのがサイズです。サイズが合っていないとだらしなく見えてしまうため、自分に合ったサイズのものを選びましょう。
また、派手なカラーはビジネスシーンには向いていません。モノトーンやグレー、ネイビーなど落ち着いたベーシックカラーがおすすめです。少し目立つカラーのものを使いたいときは、アクセントとして使うなど工夫するとよいでしょう。
ビジネスカジュアルの注意点
ビジネスカジュアルには定義がないもののマナーがあるため、注意点をしっかり把握しておくことが大切です。主な注意点を二つ紹介するので、コーディネートする際に意識しましょう。
■カジュアルすぎるアイテムはNG
ビジネスカジュアルは、来客対応や取引先への訪問でも失礼にならないスタイルです。社内の人や取引先の人などに不快感を抱かせない服装であることが大切です。
あまりにもカジュアルなアイテムを使ったスタイルは、ふさわしくありません。例えば、デニムやプリントTシャツなどは、ビジネスカジュアルではないため、着用しないようにしましょう。判断に悩む場合は、同じ部署の人たちの服装を基準にして考えるのがおすすめです。
ビジネスカジュアルに限ったことではありませんが、清潔感がある着こなしも意識しましょう。落ち着いた色合いで、サイズが合っているアイテムを着用することも大切です。
■スーツの上下をばらして着用しない
ジャケットとパンツの組み合わせは、ビジネスカジュアルの定番スタイルです。そのため、スーツのジャケットをほかのパンツと合わせたコーディネートを考える人もいるかもしれませんが、スーツの上下をばらして着用するのは避けましょう。
クラシックなスーツは、しっかりと肩パットが入っており、かちっとしたフォーマルなスタイルです。丈が長く光沢のあるものも多く、カジュアルなパンツと合わせると、ちぐはぐになり違和感があります。
ただし、セットアップのように上下ばらして着用できるカジュアルなタイプのスーツであれば、ビジネスカジュアルのファッションとして使える場合もあります。全体のバランスを見てコーディネートしましょう。
構成/編集部