「オファー型サイトへの登録」が大幅伸長
大学1、2年生に対して、就職活動に備えて取り組んでいることを確認したところ、「授業の履修」(回答率35.5%)、「オファー型サイトへの登録」(同35.0%)、「特に何もしてない」(同33.3%)、「資格取得のための勉強」(同25.7%)の順となった。「オファー型サイトへの登録」(前回1.5%→今回35.0%)が33.5ポイント上昇したのに対して、前回調査で2位であった「アルバイト」(前回31.3%→今回13.0%)が18.3ポイント低下している点については、アルバイトを通じた就職準備の意識に変化が生じている可能性が考えられる。
また、「特に何もしていない」については、「女性」の回答率が高く、就職活動に対しては、男性のほうが積極性が高い様子が表れている。(図表H)
2023年1月に就活生を対象に実施した「第9回 就職したい企業・業種ランキング」と本調査を比較したところ、就活生はトップ2を公務員が占め、「安定性」を重視しているのに対して、大学1、2年生では「憧れ」や「嗜好性」が重視され、任天堂が公務員を抑えて1位になるなど、ランキング上位の企業に変化がみられた。さらに、就活生に人気の食料品製造業界が、大学1、2年生ではランク外となっている点も、志向の違いが表れているといえるだろう。(図表I)
総評
「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」は、第9回にして、初めて民間企業が1位となった。これまで第8回の調査まで、国家公務員もしくは地方公務員のいずれかが1位となっていたが、今回初めて民間企業である「任天堂」が1位となった。
また、前回までの調査において「理系・女性」に人気の「味の素」など食料品製造業が、今回調査ではランク外となっている点については、昨今の円安等の影響による食料品価格高騰などが企業イメージに影響した可能性が考えられる。
ランキング1位となった「任天堂」は、「理系・男性」から人気を得ており、昨今のゲーム人気を背景とするヒットメーカーへの憧れや自分の好きなことを仕事にしたいという気持ちの表れがうかがえる。
また、就職先選定での重視項目の1位が「給与額」となっていることや、将来望む就業の形の1位が「出世して高収入を得たい」であること、1,000万円以上の年収を得たいと考える学生が増加していること等から、前回調査よりも就職先選定において高収入を得ることが重要な要素となっていることが表れており、働くことに対する貪欲な姿勢やチャレンジする姿勢が垣間みえる。
就活生のランキングとの比較において、就活生が「安定性」を重視する傾向が強いのに対して、大学1、2年生では「趣味」や「収入」への志向を重視する結果となっている点については、就職を目前に控える就活生に比べて、大学1、2年生は就職に対するイメージや企業研究が十分でないために、有名企業や商品・サービスがイメージしやすい企業を選びやすくなることが要因として挙げられる。
しかし、実際の就職において、「安定性」、「嗜好」、「収入」のどれを重要視すべきかに正解はなく、今後大学1、2年生が大学生活を経て自らの進路を決めていく中では、その経験や周囲の環境によって、現在の志向から変化が生じる可能性もある。
近年、少子高齢化などに起因する労働力不足対策の一環として、企業はインターンシップなどを活用し、新卒採用開始を年々早めていると言われている。学生にとっては、その本分である学業が疎かにならない範囲であれば、来る将来に向けて自らの就職先の検討を進めることは有効ともいえるが、急いて事を仕損じることのないように、企業研究などを入念に行いながら就職先を十分に吟味して最良の選択をしてほしいものだ。
<実施概要>
・調査名称 :第9回「大学1、2年生が就職したいと思う企業・業種ランキング」調査
・調査方法 :インターネット調査
・調査エリア:全国
・期間 :2023年8月18日(金)~8月23日(水)
・調査対象者:大学1年生および2年生の男女個人
・有効回収数:600サンプル
出典元:リスモン調べ
構成/こじへい