男性は交通インフラ企業、女性は化粧品関連企業が人気
就職先として望む企業を男女別に集計したところ、男性は「任天堂」、女性は「サンリオ」の玩具製造業2社が1位となり、前回、男女ともにトップであった「地方公務員」(男性4位、女性6位)は大きく順位を落とした。
その他、男性では、前回調査同様に「東海旅客鉄道(JR東海)」や「西日本旅客鉄道(JR西日本)」、「東日本旅客鉄道(JR東日本)」、「日本航空(JAL)」、「全日本空輸(ANA)」などの交通インフラ業界が人気であるのに対して、女性では「資生堂」、「花王」、「コーセー」など、化粧品関連が上位にランクインしており、日常生活での利用シーンの多い業種が人気となっていることがうかがえる。(図表C)
就職先として望む企業を文理別に集計したところ、文系が望む就職先ランキング1位は、「国家公務員」(文系回答率7.0%)となり、次いで「地方公務員」(同6.0%)が2位、「任天堂」(同5.7%)が3位となった。4位以下では、「日本テレビ」や「TBS」、「ソニー・ミュージックエンタテインメント」、「オリエンタルランド」など、娯楽・エンターテインメント業界のランクインが目立つ結果となっている。
一方、理系が望む就職先ランキング1位は、「任天堂」(理系回答率7.7%)となり、次いで「ソニー」(同5.7%)が2位、「国家公務員」(同5.0%)が3位となった。また、理系が就職したい企業トップ20のうち製造業が18社と約7割を占めており、大学で学んでいる専門知識を活かし、開発や製造の現場で働きたいという志向が強い傾向が表れている。(図表D)
男性は収入、女性はプライベート優先が1位
就職先選定における学生の行動基準について調査したところ、将来望む就業の形としては、「出世して高収入を得たい」(回答率21.3%)が1位となり、「プライベートを優先させたい」(同17.3%)が2位、「優良企業で安定的に働きたい」および「ワークライフバランス重視で働きたい」(各同16.0%)が3位となった。
「出世して高収入を得たい」については、「1年生」と「男性」では前回から1位となっていたが、他のセグメントにおいても回答率が上昇し、全体で1位となった。ただし、「女性」では「プライベートを優先させたい」が依然として1位であり、「ワークライフバランス重視で働きたい」が2位となっている点など、他のセグメントとの意識の相違が目立つ結果となっている。(図表E)
就職先の選定において重視する点としては、「給与額」(回答率50.0%)が1位、「福利厚生」(同31.7%)が2位、「勤務地」(同29.3%)が3位となった。上位3項目は、前回調査から順位変動はあるものの同じ項目であり、各項目に対する関心の高さに大きな変化はみられない。また、今回より調査対象とした「有給の取得しやすさ」が全体で4位、セグメント別でもそれぞれ4位と上位にランクインし、余暇を重視する傾向が強くなっていると推察する。(図表F)
また、「給与額」について、最低限実現したい生涯最高年収を調査したところ、「600万円~800万円」(回答率23.7%)が前回と同様に最も多く、次いで「1,000万円~2,000万円」(同15.8%)、「500万円~600万円」(同14.7%)の順となった。
前回調査と比較すると、全体では「1,000万円以上」(前回19.8%→今回25.5%)が5.7ポイント上昇する中で、「600万円未満」(前回47.3%→今回38.2%)が9.1ポイント低下しており、希望年収の水準が上昇している様子がうかがえる。なお、最低限達成したい生涯最高年収としては、女性よりも男性、文系よりも理系のほうが、それぞれ高い傾向が表れる結果となっている。(図表G)