東日本旅客鉄道などが参加して野村不動産を代表とするグループ(代表事業者:野村不動産、共同事業者:東急不動産、住友商事、ヒューリック及び東日本旅客鉄道)は、中野区とともに推進する「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」について、2023年11月15日付で、中野区より都市計画決定の告示がなされたことを発表した。
「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」とは
この事業は、中野駅周辺の各地区で進められている合計11ものまちづくり事業のうち、中野サンプラザや中野区役所の敷地を含む2ヘクタールを超える大規模な敷地において、同エリアの象徴的な存在である中野サンプラザの機能を再整備。ホール・オフィス・住宅・商業・ホテルなどで構成される複合施設を開発する事業だ。
音楽、サブカルチャー、食など多様な文化を育んできた中野駅周辺の回遊性を高めることで更なる賑わいと交流を創出。立地特性を最大限に活かした拠点施設整備を行なうことで、グローバルな都市活動拠点の形成や地域経済の活性化に寄与することが期待されている。
本事業のポイント
■地域の持続可能性を高める多様な都市機能
長期にわたり地域活力の向上に寄与するために、昼間人口、夜間人口、交流人口のバランスを鑑みた用途構成としている。
具体的には、昼間人口の増加に寄与するオフィス、夜間人口の増加に寄与する住宅、交流人口の増加に寄与する商業・ホテル・ホールやエリアマネジメント施設の配置が計画されている。
中でも交流人口の増加に寄与するための施設として、2023年7月2日に閉館した中野サンプラザのDNAの継承・発展のため、新たな「文化の聖地」として臨場感や一体感が感じられる、最大7000人規模の「多目的ホール」を整備する。
また、中野サンプラザの宴会場や最上階レストランなどが交流の場として様々なシーンを作ってきたことから、ハレの日使いもできる展望レストランや東京西郊、唯一無二の眺望を楽しむことができる屋外テラスを有する「展望施設」、区民や企業などの交流・会合の場として利用できる「バンケット・コンベンションセンター」を導入。
また子育て世代が安心・安全に利用できる「子どもの屋内遊び場」なども整備し、複合型子育て支援機能の導入が図られる予定だ。
■中野駅周辺の回遊性を高める立体的な歩行者ネットワークと広場
中野駅から周辺地区へのアクセス動線となる歩行者デッキや、地上と歩行者デッキをつなぐ立体的なアトリウム空間を整備。中野駅周辺の各地区とバリアフリーでつながる立体的な歩行者ネットワークの形成を目指す。
また、建物内の施設と一体的な利用が可能な広場空間の整備により、地域のにぎわいと交流の場を創出するほか、災害時にも避難場所として活用できるように整備される。
■地域とともに成長するエリアマネジメント
本地区のエリアマネジメントとして、2023年7月2日に閉館を迎えた中野サンプラザのクロージングセレモニーへの参加、2023年7月15日から17日にかけて実施された『さよなら中野サンプラザ感謝祭』では、地域の方々とさよなら中野サンプラザクロージングムービーを製作。
同社では「今後も事業者が立ち上げるエリアマネジメント協議会が事務局となり、中野独自の多様な文化と地元の声を活かして、地域の活性化につながる様々な活動を展開し、竣工後は、エリアマネジメント施設と屋上広場の一体的な運用を図り、文化・地域交流を促進することを目指します」とコメントしている。
■計画概要
関連情報
https://www.jreast.co.jp/
構成/清水眞希