逢瀬からもフルバランスディスクリートの試作アンプ登場
逢瀬はWATERFALLブランドでパワーアンプやDACの製品開発をおこなう2013年に設立された日本のオーディオメーカーである。今回の出展のメインは、同社がMariana Blue Soundと共同開発した「Marlin DAC」と試作の「AK4191+AK4499EX DAC」の比較試聴で、それを聴くために周りを固めたのが、試作品のボリュームレスヘッドホンアンプにトランスアッテネータ、ネットワークトランスポートとDDCというシステムである。アンプの内容はA級フルディスクリートバランス駆動ということしか発表されていない。
代表の月岡政影さんによれば、スピーカーをメインで再生する人たちにとってセパレートアンプは珍しいものではない。ボリュームレスヘッドホンアンプを製品化するかどうかは会場での反応をみてからで、細かい仕様も決まっておらず、3pinのXLR×2、4pinのXLR、φ4.4mmなどのバランス接続専用機を考えているそうだ。アナログボリュームには音質的に納得できるものがなく、今回は音質比較用にトランス式を使ったという。2台のDACを切り替えて試聴させてもらったが、どちらも情報量が多く響きが豊かな音で空間表現に優れている。AK4499EXの方が心地よい響きで、Marlinの方がどちらかと言えばモニター調に感じられた。今後、この試作ボリュームレスヘッドホンアンプがどう進化していくかが楽しみである。
プレートの下にあるのがボリュームレスヘッドホンアンプの試作機
上から2番目が「試作AK4191+AK4499EX DAC」で3番目がMarlin DAC」である