引き締まった硬めの乗り心地
センターコンソール上のスタートボタンを押し、つまみを動かし、Dレンジでスタート。MY MODEボタンを押し、スクリーンに走行モードを出す。走行モードは全部で6パターンある。標準モードの「PERSONAL」を選択。それでも加速力は強烈だ。0→100km/hはカタログと同じ5秒台を記録した。それもまったく特殊なテクもなく、アクセルをグイッと踏みこむと、4輪が瞬時にトルクを路面に伝え、ダッシュ!という感じなのだ。
ハンドリングは駐車時など低速では軽めだが、走り出すとやや重め、切りこむと抵抗がある。乗り心地は標準モードでもやや硬め。上下動もフワフワした動きはなく、引き締まっている。これは「iX1」の2グレードは、アダプティブMサスペンションが標準装備されているから。ノーマルよりも最低地上高は20mm低い設定だが硬すぎることもなかった。後にSportモードに切り替えると、低、中速では硬めで目地などの上下動もキツめ。高速では突き上げも小さくなり、痛快だった。
3つ目のモード「EFFECIENT」は、燃費(電費)を最適化するモード。急加速時のトルク感がややマイルドになっている感じだ。その電費だが、走り出した時は充電率99%で走行可能距離は456kmと表示されていた。カタログ数値は465kmなので、ほぼカタログどおりと言っていいだろう。このあたりの正確性はさすがBMW。65%まで消耗したところで、急速充電。30分の充電で65%から88%まで回復した。電費はメーター上で5.7km/kwhを表示していた。
自宅に戻り、普通充電を行なう。充電率は63%。車両の左フェンダーにある充電口を開け、荷室のサブトランクから充電ケーブルを取り出し、車体と自宅の給電口にプラグを差し込むと、100%までの使用時間が出る。約10時間後だ。これなら次の朝には100%充電状態で出掛けることもできる。日常の足として使う分にはEVだけでこと足りてしまう。給油スタンドが減少している地域にはEVの使い勝手の良さが100%味わえるはずだ。
■関連情報
https://www.bmw.co.jp/ja/all-models.html?detail=X_BMW-iX1
取材・文/石川真禧照 撮影/萩原文博