盤石なメリカリ会員に「見込みスポットワーカー」としてアプローチしやすい
人出不足の事業者がメルカリ ハロのようなスポットワーカー募集サービスで人出を募ったところで、本当に人が集まるのだろうかという不安が残る。
これに対し、メルカリには約2,260万人の会員がおり、このうち本人確認済となった1,395万人の会員が、スポットワーカーとして働く対象になる。しかも普段使いのメルカリアプリから求人に応募できるので、アプリの操作が難しくて働くのを断念するリスクを低減できる。
後発ながら、この先急成長して競合を追い上げるための種でもある。
■いつものメリカリアプリからかんたんに応募
引用元:同
メルカリユーザーが慣れ親しんでいる使い方で、出品商品を探すかのように仕事を探し働ける。利用可能な人は18歳以上でメルカリの本人確認済みであること。またアプリは同一だが、メルカリの利用歴は、労働先の企業には伝わらないよう別管理となっている。
■リピーターを増やす
出典:同
「OBOGコネクト機能」を大規模事業者向けに提供することで、以前働いたメルカリ ハロの労働者に対し、また働いてもらいやすくするなどの効果を目論む。
決済サービス「メルペイ」と直結できているのも競合には無い強み
2023年4月に給与デジタル払いが解禁となった。これは、働いて得た給与をPayPayやEdyといった電子マネーで受け取れる制度のことである。将来的にメルカリ ハロを使い働いて得た給与もデジタル払いの対象にするとしている。
競合他社のタイミーやシェアフルでは、スポットワークで得た給与の即払いが可能になっているが、メルカリのようなEコマースや決済サービスの提供は行っていない。
一方、LINEヤフーの子会社のシンクタンクである紀尾井町戦略研究所が2022年12月8日に発表した給与デジタル払いの調査結果(下図)によれば、利用したいが32%と高いとは言えないが、利用する場合の入金額は10万円未満が50.4%と約半数を占める。
■給与デジタル払いを利用する理由
とりわけ副業としてスポットワークをした場合に、給与受け取り口座を分けて管理するときに役立つといえる。
また、「給与デジタル払いを利用するとしたらその理由は何か」の質問に対しては、キャッシュレスの手間が省ける、ATM手数料が軽減できるといった回答が並んでいる。
つまり、今まで自分の労働力は、銀行口座を通じてお金に代わっていた部分が、給与デジタル払いによって、労働とお金が直結できるようになった。この世界感の中で、メリカリ ハロで得た給与をメルペイにチャージし、メルカリの買い物やそのほかの仕事で得た給与とは分けて使う。新たな働き方と共に新たなお金の使い方が実現でき、生活の質が向上できるかもしれない。
■時間・スキル(働く)によって価値の循環が加速
出典:メルカリ資料
メルカリは、価値の循環が加速すると表現している。収入源と支払いが一つのアプリで直結しつつ、独立した財布として管理する使い方ができる。