国内フリマアプリの雄「メルカリ」が人材ビジネスに乗り出す。
2023年11月13日に発表した同社プレスリリースによれば、2024年初春にスポットワーク事業として、求人プラットフォーム「メルカリ ハロ」を立ち上げる。
日本が抱える深刻な人出不足に対して一石を投じる考えだが、スポットワーク業界では、タイミー、シェアフルといった企業が先駆者として事業を手掛けている。後発で参入するメルカリの勝機はあるのだろうか。同社の記者発表資料(以下、メルカリ資料)を基に読み解いてみよう。
スポットワークとは単発・短時間で働く新しい働き方で「スキマバイト」とも言う
2時間だけカフェでアルバイトしたい。半日だけ物流施設で肉体労働したい。という風に、単発・短時間で働けるのがスポットワークである。
労働者は、働く時間を柔軟に調整しつつ収入が増やせ、雇用主からすれば人出不足を少しでも解消でき、双方にとってメリットになる。空いた時間のスキマでアルバイトするに等しいので「スキマバイト」とも言う。
20代以下の若者の主な収入源になると思いきやメルカリ資料によれば、スポットワーカーの3~4割が正社員で働きながら副業の収入を得るためにスポットワークしているという。また、そもそもスポットワーカー人口はここ3年で2倍(2020年末に約500万人、2023年5月で1,070万人)と、市場が拡大傾向にある。(下図)
■拡大するスポットワーク
出典:メルカリ資料
登録会員数は、スポットワーク事業や関連事業を営む企業が属するスポットワーク協会の調査による。協会会員には、ツナググループ・ホールディングスや、LINEヤフー、タイミー、シェアフルなどの企業(順不同)が名を連ねている。
■働き方の社会問題
生産年齢人口がこの先約20年で2割ほど減ってしまう中、副業やリスキリング需要などにより、スキマ時間に働く柔軟さのニーズが増えている。