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働く人のモチベーションは年代が上がるにつれて「承認」「注目」の出現率が低くなる傾向

2023.11.23

TOPIC2:モチベーション・リソースと仕事の関係性

続いて、モチベーション・リソースと現在の仕事の関係性を明らかにした。今回の調査では、「あなたが現在担当している仕事が、図表6の項目にどれくらい当てはまると感じるか」について、5段階で回答を求めた(1:あてはまらない~5:あてはまる)。

■現在の仕事の特徴は「専門性」「貢献」「親和」「安定」の値が高い(図表7)

図表6:現在の仕事の特徴に関する質問項目

図表7:現在の仕事の特徴(回答者全体の平均値)

■35.5%もの人がモチベーション・リソーストップ3と現在の仕事がフィットしていない(図表9)

図表8:フィット数の定義と例

次に、10個ある「モチベーション・リソース」のうちそれぞれが選択したトップ3の項目と「現在の仕事の特徴」をかけあわせた分析を行なった。

図表8のように、個人のモチベーション・リソーストップ3が、現在の仕事の特徴に「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」と答えている場合は、「フィット数1」と数える(フィット数の最多は3、最少は0)。

図表9:モチベーション・リソースと現在の仕事の特徴の フィット数(回答者全体)

その結果、35.5%もの人が自分のモチベーション・リソーストップ3と現在の仕事がフィットしていない(フィット数0個)ことが明らかになった。

■トップ3が全てフィットしているのは、20代(18.8%)が最多

図表10:モチベーション・リソースと現在の仕事の特徴のフィット数の内訳(年代別)

年代別で見たところ、フィット数3個は20代(18.8%)が最も多く、フィット数0個は40代(39.0%)・50代(37.7%)という結果が得られた。

このデータから推測できるのは、40・50代は、一般的に職業上のキャリアの観点から難度の高い仕事を任されるなど会社内における期待が高くなっている年代であると想定される。

また、ライフキャリアの観点から、育児・教育・介護など家族のための支出が増えたり、健康面でも少しずつ衰えが見えてきたりする年代でもある。

そうした様々な制約も相まって、自身のモチベーション・リソースの実現よりも優先すべきことが多いのではないかと考えられる。

TOPIC3:モチベーション・リソースと仕事のフィット数が「仕事へのエンゲージメント」に与える影響

「エンゲージメント」という言葉は、世の中では様々な文脈で使われる言葉だが、今回の調査においては、「仕事へのエンゲージメント」≒「一人ひとりが、仕事の意義を理解し、日々の仕事にやりがいや成長・貢献実感をもって働いていること」と定義しており、具体的には以下の4項目を用いた。

図表11:仕事へのエンゲージメントに関する質問項目

※本項目は、同社アセスメントサービス「エンゲージメント・ドライブ」より項目を抜粋して利用。
※各項目に対して、5段階で回答を求めています(1:あてはまらない~5:あてはまる)。

■フィット数が増えるにしたがって、仕事へのエンゲージメント得点が高くなる(図表12)

図表12:モチベーション・リソースと現在の仕事の特徴のフィット数の内訳(年代別

この結果(図表12)は、モチベーション・リソースにフィットした仕事に従事していると、仕事へのエンゲージメントが高まる可能性があることを示唆している。

ただし、本調査の全体傾向からは、特定のモチベーション・リソースと仕事へのエンゲージメントの関係性は見られなかった。

つまり、モチベーション・リソースが仕事へのエンゲージメントを高めているのではなく、モチベーション・リソースと現在の仕事のフィット度がエンゲージメントを高めているのではないかと考えられる。

調査結果まとめ

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ
研究本部 測定技術研究所 所長 仁田 光彦 氏

今回は、「働く人のモチベーション」に着目した調査を実施しました。

企業組織にとっても、働く人にとっても、「生き生きと働く」ことが重要になってきている昨今、働く人がどのようなことにモチベーションを感じているのかを把握することは、益々大事になってきているのではないでしょうか。

調査の結果、見えてきたことは、「働く個人の中にも様々なモチベーションの源泉があること」、「自身のモチベーションの源泉と現在の仕事との間にフィット感を持てているほど、やりがいをもって働けていること」でした。

当たり前のように見える結果ですが、働く個人の多様さと働く個人一人ひとりに目を向けることの大切さに気付かされるような結果だったと感じています。

企業としては、このように多様な個々の特徴に向き合いながら、仕事のアサインメントやマネジメント場面において適切な采配や声掛けを行うことで、働く個人のやりがいを引き出し、組織としての持続的な成長につなげることができるのではないでしょうか。

また、働く個人としては、自身の特徴に向き合いながら、今の仕事やご自身のキャリアについて捉えなおすことで、仕事のやりがいを再発見できるかもしれません。

改めて、今回の調査を通じて、こうした企業と働く個人の相互作用によって「生き生きと働く」ことに近づいていけるのではないかと感じました。

調査概要

関連情報
https://www.recruit-ms.co.jp/issue/column/0000001204/

構成/清水眞希

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