企業における経営・人事課題の解決および、事業・戦略の推進を支援するリクルートマネジメントソリューションズは、企業に勤める一般社員、主任・係長クラスの正社員を対象に「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査」を実施。
「働く人のモチベーション・リソース(モチベーションの源泉)」や「モチベーション・リソースが仕事へのエンゲージメントに与える影響」などの要素について、調査結果から分析している。
図表1:今回の調査の全体像
TOPIC1 働く上でのモチベーションの源泉「モチベーション・リソース」
図表2:10種類のモチベーション・リソース
モチベーション・リソースとは、働く上で重視するものや実現したいこと(志向・欲求)を同社が先行研究やデータをもとに「統率・挑戦・創造・専門性・貢献・親和・安定・金銭・承認・注目」という10種類に分類したものだ(図表2)。
■働く上で「安定(53%)」と「金銭(41%)」を重視している人が多い(図表3)
図表3:モチベーション・リソーストップ3の出現率 (回答者全体)
その結果、「安定(53%)」と「金銭(41%)」の出現率が高いことが明らかになった。特に「安定」の出現率が高く、今回の回答者は安定的な職場や処遇のもと、落ち着いた環境で働けることを重視している人が多いことがわかる。
■年代が上がるにつれて「創造」「専門性」の出現率は高くなり、「親和」「承認」「注目」の出現率は低くなる傾向がある(図表4)
図表4:モチベーション・リソーストップ3の出現率 (年代別)
年代別にモチベーション・リソースの出現率を見たところ、年代が上がるにつれて「創造」「専門性」の出現率は高くなり、「親和」「承認」「注目」の出現率は低くなる傾向があった。
育った時代の違いなどもあるため一概には言えないが、年齢を重ねるにつれて周囲からの承認・注目や、周囲との一体感を求める気持ちが減り、その代わりに自分なりの専門性を確立してクリエイティビティを発揮したいといった欲求が強くなると推察される。
■転職回数が増えるにつれて「専門性」「安定」の出現率が高くなる傾向がある(図表5)
図表5:モチベーション・リソーストップ3の出現率 (転職回数別)
さらに細かく分析をしたところ、転職経験回数の違いによる傾向も確認された。
転職回数が増えるにつれて、「専門性」「安定」の出現率が高くなる傾向があった。特に、「専門性」は、4回以上転職している人の出現率が跳ね上がっており、転職を重ねる人ほどプロフェッショナル志向が高いことが明らかになった。