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ニュースでよく聞く言葉「サプライチェーン」とは?意味、事例、課題をわかりやすく解説

2023.12.06

ビジネスや製造の世界でよく見かける『サプライチェーン』とは、何を意味する言葉なのでしょうか?言葉の意味や具体例を紹介します。サプライチェーンに関して発生しやすい課題と、サプライチェーンマネジメントを導入するメリットについても確認しましょう。

「サプライチェーン」とは?

サプライチェーンは英語の『Supply Chain』に由来する言葉です。日本語の意味や、重要視される理由を解説します。

■製品が消費者に届くまでの流れを指す

サプライチェーンは、日本語では『供給連鎖』とも呼ばれます。製品の製造から消費者に供給されるまでの、一連のプロセスを意味する言葉です。

私たちの身の回りにある、あらゆる製品やサービスは、開発から原材料や部品の調達、製造・加工、在庫管理、物流、販売といった過程を経た上で、消費者の手に届きます。

これらの個々のプロセスを、社内で賄うか外部の企業が分担するかに関係なく、開発の段階から製品やサービスが消費者の手に渡るまでの一連のつながった流れを鎖(Chain)に見立て、総体としてサプライチェーンと呼んでいるのです。

■「サプライチェーン」が重要な理由

たとえ自社が担う部分ではなかったとしても、サプライチェーンの状態を把握するのは重要です。消費者に届くまでの間に無駄があれば、その分コストや時間がかかります。

全体の流れを把握し最適化できれば、収益の向上やコストの削減が可能です。無駄を省くためには、一連の流れがどのような状態にあるのか理解しなければなりません。

複数の企業・団体が連携し、サプライチェーンにまつわる課題を解決する取り組みは、『サプライチェーンマネジメント』と呼ばれ、注目を集めています。

「サプライチェーン」の具体例

農家

(出典) pixta.jp

サプライチェーンについて詳しく知るために、具体例を確認しましょう。分かりやすい例として、食料品や電化製品のケースを紹介します。

■食料品や電化製品の「サプライチェーン」

食料品が小売店に並ぶまでには、複数の企業や製造業者が関わっています。スーパーマーケットに野菜が並ぶまでのサプライチェーンを確認しましょう。

まず農家が野菜を栽培・収穫し、集荷場へ運びます。集荷場に集められた野菜は出荷団体、卸売市場、小売業者(スーパーなどの経路をへて、一般消費者の手元に届くという流れです。

野菜が消費者の元に届くまでには、生産者である農家、卸売業者、野菜の運搬に関わる運送業者・倉庫業者、スーパーマーケットなどの小売業者といった、複数の企業・団体が関わっていることが分かるでしょう。

電化製品を製造する場合、まずは原材料や部品の調達が必要です。電化製品メーカーが原材料・部品をそれぞれの生産者やメーカーから仕入れ、それを使って工場で製品を生産します。

製品が完成したら、在庫を卸売業者や家電量販店などの小売業者に出荷し、その先にいる消費者に届けられるという流れは野菜と同様です。また電化製品の場合も、原材料・部品・最終製品の運搬には、運送業者や倉庫業者が関わるケースが多いでしょう。

「サプライチェーン」の課題

コンベアで運ばれる荷物

(出典) pixta.jp

サプライチェーンは、無駄を省き効率化を目指すことで大きなメリットを得られます。しかし状況によっては、スムーズな効率化は図れません。サプライチェーン上で起こり得る課題やリスクについて解説します。

■サプライチェーンのグローバル化

日本では少子高齢化が進み、今後はさらに労働力の減少が懸念されています。海外の労働力を活用すれば、少ない労働力でも効率的に作業が進められるでしょう。

海外の人材・資源を生かすため、サプライチェーンにおいてもグローバル化が進んでいます。今後はさらに多くの企業で海外人材・資源の利用への切り替えが必要になると考えられ、切り替えに伴う準備やシステムの導入が課題です。

すでにグローバル化を進めている企業では、海外特有のリスクも表面化しています。入荷の遅れや品質の低下だけでなく、コスト削減に偏った導入によって生じる問題も見逃せません。現地の労働環境の悪化や環境汚染など、さまざまな問題を引き起こす可能性もあります。

今後はグローバル化のリスクをどう解消していくかが、大きな課題となるでしょう。

■リスクヘッジが難しい

製品が作られ、消費者の手元に届くまでには、多くの企業が関わっています。関わる企業が増え、工程が多くなるほど複雑化が進むでしょう。

コスト削減や供給のスピードアップを目指す目的で構築されたサプライチェーンも、どこかで問題が起きるとうまく動きません。企業や国を越えて構築されるものほど、不確実な要素が増えるためリスクヘッジが難しくなります。

災害の発生やカントリーリスクによって、全体の流れが寸断される事態も起こり得るでしょう。さまざまなリスクに対して、リスクマネジメントを講じるのはサプライチェーンに関わる企業の課題です。

課題の解決法としては、複数の仕入れ先から原材料を確保する、突発的な災害に備えて予備のシステムを導入するなどが挙げられます。

■閉鎖的なサプライチェーンになりがち

複数の企業・団体が関わると、それぞれの利益や安定した業務の確保が重要な課題になります。特に、製造から消費まで安定した流れを作るには、特定の企業が連携して取引を継続する形態になりがちです。

たとえコスト削減や供給のスピードアップを目的として構築されたサプライチェーンであっても、ずっと同じように需要があるとは限りません。新しい企業との取引がなく、閉鎖的な環境で同じ業務を続けていると、顧客のニーズが変化していても気が付きにくく、対応が遅れるケースもあります。

常に顧客のニーズを確認し、新しい情報を取り入れるためのシステム作りも、サプライチェーン構築の課題といえるでしょう。

「サプライチェーンマネジメント」のメリット

倉庫管理

(出典) pixta.jp

サプライチェーンは、管理し最適化を図ることで、製造から販売までの効率的な流れを作れます。サプライチェーンの管理による最適化を目指す『サプライチェーンマネジメント』のメリットを確認しましょう。

■収益性の向上に期待が持てる

調達・製造・販売といった全体の流れを管理し、コストを最小限に抑えるシステムを設計できれば、収益性の向上が期待できます。

複数の企業が連携している以上、全ての企業が共通して活用できるシステムが必要です。各社がデータを共有し、製造の流れを把握すれば効率化が進みます。

共通して使用・確認できる在庫管理システムも、仕入れや在庫の状態の全体像を把握するには欠かせません。お互いに在庫や販売の状況が把握できていれば、供給過剰や品切れを防ぎ、製品の安定的な供給を続けられるでしょう。

■労働生産性が高まる

部品の製造、製品の製造を担当する企業は、完成品の売れ行きや需要によって業務量が変動します。何も分からない状態では、必要ないものを製造し、売れている製品の部品が枯渇するかもしれません。

どの商品が売れていて、次にどの部品・製品が必要になるのかが分かっていれば、適切な人材の配置や確保も判断できます。

最新の状況を把握できるシステムを共有し、マネジメントがうまくできれば、労働力を適切に活用でき生産性が高まるでしょう。

■スピーディーな問題解決が可能に

サプライチェーンマネジメントによって情報を共有できていれば、サプライチェーン上で起きている問題をすぐに把握できます。複数の企業が素早く情報を手に入れることで、問題解決もスピーディに進むでしょう。

導入するシステムの種類によっては、担当者が問題を見つけ出すだけでなく、システム独自の分析や市場調査も可能です。扱う人に専門的な知識がなくても問題を可視化できるよう、サプライチェーンの形に合うシステムの導入を検討しましょう。

■導入のデメリットも

多くの企業が関わるサプライチェーンでは、システムの導入が難しいケースもあります。まずはデータ共有やシステム導入について、複数の企業間で話し合わなければなりません。状況によっては、個人情報保護の問題や、機密情報の漏えいリスクについても検討しなければならないでしょう。

サプライチェーン全体の意思が統一されたとしても、コスト面の問題もあります。システム導入や運用、保守の費用をどこから捻出するのか考えておかなければなりません。

また、従業員がシステムを問題なく扱えるかという点も、重要なポイントです。導入からスムーズに運用できるようになるまでには、それなりに長い時間がかかるでしょう。

文/編集部

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