今後、手数料無料化に他社は続くのか?
上場株式の取引自体は、証券会社は取引所に取り次ぐだけであり、株式はどの証券会社で取引しても品質が変わることはない。そのため、株式をどの証券会社で取引するかどうかを選ぶ際、取引時にかかる手数料は重要だ。手数料はどれだけかかるかで売却時の損益は大きく異なる。証券会社毎に取引ツールや時間外取引、ポイント等付加サービスもあるが、利益を得るために株式取引をしているのだから、損益に大きな影響を与える手数料を重要視する人がほとんどだろう。これまで、NISAでの取引、一定金額等までの手数料無料化は行われてきたが、株式取引全部が無料になるのは初めてだ。
このような激しいネット証券による手数料競争のなか、手数料無料化の流れにマネックス証券は追随できなかった。この激しい競争のなかマネックス証券はドコモの連結子会社となることとした。
株式手数料無料化により、SBI証券と楽天証券2社の株式手数料の競争はいったん落ち着くものと思われるが、今後もこの2社による激しい競争が続くものと思われる。
2023年3月末時点のSBI証券の口座数は約1,000万、楽天証券は900万とほぼ拮抗している。株式取引手数料を無料化しても顧客を囲い込むことができれば、投資信託の保有し続ける限り安定的に入る代行手数料、外国株式やFX等の高めの手数料で補うことができる。さらには、グループで銀行の住宅ローンや外貨預金、クレジットカード、保険等へ証券の顧客が流れて大きな収益源となり、株式手数料を捨ててでも囲い込むことにメリットがある。
この流れに付いていけないネット証券にも手数料下げ圧力がかかり、付いていけない財務基盤や囲い込んでもメリットがないような証券事業単独の会社であれば、マネックス証券のように組織再編される可能性がある。
今後、手数料が下がることで、株式取引参加者が増えるかもしれない。また、組織再編が進めばポイントの共通化や連携サービスも増え、顧客にとってはますます便利になるかもしれない。
文/大堀貴子
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