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「第二新卒」とは?意外と知らない正しい意味と転職市場における需要の実態

2024.01.02

『第二新卒』とは、求人情報や転職市場で目にする機会が多い言葉です。定義や年齢が記載されていないケースもあるため、自分が第二新卒に該当するのか悩む場面もあるでしょう。言葉の意味や、企業が採用するメリット・デメリットを解説します。

第二新卒とは

求人情報に『第二新卒』と記載されている場合、具体的にはどのような人が対象になるのでしょうか?基本的な考え方を解説します。第二新卒が転職しようと考える理由や、似た用語についても確認しましょう。

■卒業後約3年以内の転職を志す求職者

第二新卒は、学校卒業後に新卒で就職したものの、数年内に離職し、転職活動をする人を指します。約3年以内が目安とされますが、求人情報では企業によって定義が異なるのが実情です。

企業の採用サイトに『第二新卒採用』と記載されている場合、第二新卒の定義は募集要項やQ&Aに記載されています。必要な学歴や実務経験を確認した上で判断しましょう。年齢や学歴を問わない経験者採用で『第二新卒歓迎』とある場合は、若年の短期離職者を指すケースが多いようです。

応募の際、自分が第二新卒に該当しているか気になる場合は、募集要項をしっかり読み込んだ上で、積極的に応募するよう心掛けましょう。人材としての魅力があれば、条件が柔軟に変更される可能性もあります。

■第二新卒の転職理由

第二新卒が転職しようとする理由として、会社・人間関係への不満や上昇志向によるものが挙げられます。厚生労働省の『令和4年雇用動向調査』によると、20~24歳の転職理由では『労働時間、休日などの労働条件が悪かった』『仕事の内容に興味を持てなかった』『職場の人間関係が好ましくなかった』などが挙がっています。

就職したものの、社風が合わず、仕事や人間関係がうまくいかなければ、短期での転職を検討するのも当然です。つらい仕事を続けるよりも、自分に合う職場を早めに探す方が能力を生かせる可能性は高まるでしょう。

仕事や人間関係に問題がなくても、昇進や昇給が見込めない場合、スキルアップ・キャリアアップを求めて第二新卒のうちに転職を決める人もいます。

参考:令和4年雇用動向調査結果の概況|厚生労働省

■新卒や既卒、中途との違い

第二新卒と似たような言葉として、新卒・既卒・中途が挙げられます。

新卒は、翌年3月に学校を卒業する予定の人や、卒業した人を指します。求人情報で『新卒募集』とあれば、原則は翌年3月に卒業見込みの人が対象です。

既卒は、学校を卒業後に正社員として働いた経験がない人を指します。アルバイト・パートで働く人や、フリーターも既卒者です。

なお、新卒求人で『既卒応募可』と記載されている場合、学校を卒業後3年以内を既卒と定義している企業もあります。社会人経験を持たない全ての人が対象であるとは限らない点に、注意が必要です。

『中途』や『経験者』は、社会人経験を持つ人を指します。第二新卒も中途や経験者に分類されますが、どの求人に応募できるかは各企業に確認しましょう。新卒求人でも、第二新卒が応募可とされているケースもあります。

第二新卒のメリット

就活生

(出典) pixta.jp

第二新卒を採用するのは、新卒や長く働いた経験者にはない魅力があるからです。企業が第二新卒の採用に感じるメリットを紹介します。企業にとってのメリットを把握しておけば、どのような人材が求められているのかという点も判断しやすいでしょう。

■企業とのマッチ度が高い

第二新卒の転職は、最初に就職した企業では実現が難しい希望や目的をかなえるためです。改善しなければならない問題や優先すべき条件が明確な分、新卒よりも自分に合う企業の特徴を把握しています。

応募者の希望と、企業が求める人材が一致していれば、マッチ度は高くなります。希望・目的が明確になっている点をメリットと感じ、第二新卒を積極的に採用する企業も多いのです。

合わない企業に一度勤めており、実際に仕事を経験していることもあり、ミスマッチの可能性は低くなるといえるでしょう。企業研究を重ね、特徴や長所を把握している第二新卒は、企業にとって魅力的な存在です。

■新卒よりも意欲が高い

意欲の高い人材を採用したいと考える企業は、第二新卒の採用に積極的です。第二新卒の中には、成長を目的として転職を決意する人もいます。昇給・昇格・スキルアップなど人によって詳細な目的は多様ですが、向上心の高い応募者が多く集まるのが特徴です。

最初の就職で失敗したからこそ、転職にかける思いが強い人もいます。次こそは活躍できる企業に勤めたいと考え、入念なリサーチや自己分析を行う人も多いでしょう。意欲の高さを見せられれば、第二新卒ならではの強みを生かせます。

■人材育成コストを削減できる

第二新卒の多くは、すでに新人教育を終えています。たとえ数年以内に退職に至ったとしても、基本的なビジネスマナーや社会人としてのルールは、ある程度身に付いているはずです。

すでに一般的なマナーを身に付けている人材を採用すれば、ビジネスマナーを教える時間や基本的な教育にコストはほとんどかかりません。新卒と比べて人材育成のコストを削減できる点は、企業にとって魅力といえます。

さらに、新しい知識を吸収しやすい柔軟性も併せ持っており、転職先で活躍するための知識や技術を身に付けるのも早いと考えられるでしょう。

第二新卒のデメリット

履歴書を持っている手元

(出典) pixta.jp

応募の状況や退職の経緯によっては、企業側がデメリットを感じてしまうケースもあります。どのような面で不利になるのか、把握しておくのも大切です。デメリットになりやすい特徴を紹介します。

■すぐに退職しそうだと思われる

第二新卒は、就職して数年以内に退職の経験があります。退職までの期間が短いほど、採用する企業は慎重になるでしょう。

次も同じ問題が起きる可能性は、決してゼロではありません。早期退職のリスクは、第二新卒を採用する上でのデメリットです。

納得感のある退職理由や志望動機を説明できなければ、自社に入ってもまたすぐに辞めてしまうのではないかと心配され、採用につながりにくい可能性があります。

■実務経験が不足している

第二新卒は、『新卒・第二新卒採用』または『経験者採用』に応募します。企業によって扱いが異なるため、注意が必要です。

経験が浅い人材でも中途採用に応募するルールを設けている企業では、実務経験が足りないと見なされる可能性があります。社会人経験を積んだライバルの中に入ると、どうしても見劣りしてしまうでしょう。

働き始めて1〜3年では、責任のある仕事を任される機会もさほど多くないはずです。経験を生かして転職したいのであれば、長く働く方が有利になります。

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