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賃上げなどによる生活負担と労働環境などの人的資本の課題が「企業の魅力」に強く関連

2023.11.15

企業に魅力を感じた情報源の最多は「リアル」、「ソーシャルメディア」のみ前年より増加

「企業の魅力をどのようなところで見聞きしたか」について聞いたところ、カテゴリ別では商品・サービスの購入や社員・店員を通した「リアル」が最も多く(49.5%)、次いで「メディアの番組・記事」(29.1%)、「メディアの広告」(23.1%)、「オウンドメディア」(22.1%)、「ソーシャルメディア」(18.9%)の順となった。

前年度と比較すると、各カテゴリの順位は変わらないが、「ソーシャルメディア」のみ割合がやや増加している。このことから、生活者の企業に関する情報源として、「ソーシャルメディア」の重要性は今後も高まっていくことが想定できる。【図表4】

企業の魅力を感じる情報源として、ソーシャルメディアを選択した人に、どのソーシャルメディアで魅力を感じるかを聞くと、1位「YouTube」(46.9%)、2位「X(旧Twitter)」(39.2%)、3位は「Instagram」(31.3%)、4位「LINE」(18.6%)、5位「Facebook」(15.1%)という結果となった。

また、「普段よく利用しているメディア」を聞くと、1位「YouTube」(55.4%)、2位「X(旧Twitter)」(43.7%)、3位「LINE」(38.7%)、 4位「Instagram」(38.6%)、5位「Facebook」(15.8%)という順に。

ソーシャルメディアで企業の魅力を感じた人のうち、 「YouTube」は過半数もの人が普段よく利用していると回答している。企業の魅力を感じる情報源としても半数近くの人が選択しており、企業のブランディングにおいて、動画コンテンツの重要性が高まっていることがわかる。【図表5】

■企業の魅力を感じたソーシャルメディア、1位「YouTube」、20代は過半数が「X(旧Twitter)」を情報源に

企業の魅力を最も感じるソーシャルメディアと、普段よく利用しているソーシャルメディアの特徴を確認すると、年代別に違いが見られた。

30代~50代では、企業の魅力を感じる情報源の上位3位はいずれも、「YouTube」「X(旧Twitter)」「Instagram」の順だが、20代は1位が「X(旧Twitter)」となっており、ソーシャルメディアで魅力を感じた人のうち、半数以上の人(57.7%)が「X(旧Twitter)」から企業の魅力を感じていることがわかる。

普段からよく利用されているものでは、40代、50代は「Instagram」よりも「LINE」の方が高くなっているが、企業の魅力を感じる情報源としては「LINE」より「Instagram」の方が上位という結果になった。

60代は唯一「LINE」が企業の魅力を感じる情報源として3位以内にランクインしており、「Instagram」や「X(旧Twitter)」よりも影響力が大きいようだ。

このように、一口に「ソーシャルメディア」といっても、ターゲットとする年代ごとに、アプローチすべきメディアの種類は検討していくことが必要だ。【図表6】

企業に魅力を感じる項目「ビジョンを掲げ、業界をけん引している」

全国の生活者1万人が対象企業200社に対して感じた魅力の総量を集計したところ、最も多かった魅力が「人的魅力」で全体の 37.7%を占めた。次いで、「商品的魅力」が33.8%、「財務的魅力」が28.4%だった。【図表7】

この順位は、割合に微増・微減はあるものの、調査開始以来8年連続で変わっていない。企業の3魅力を巡る考え方は、世の中の移り変わりにあまり左右されない不動のものであることが推察できる。【図表8】

3魅力の項目の内訳を見ると、TOP5には5年連続で同じ項目がランクイン。さらに、本調査開始以来8年連続で、「ビジョンを掲げ、業界をけん引している」(48.8%)が第1位となった。【図表9】

ビジョンやリーダーシップなどの非財務情報が“魅力ある企業”のカギになることは普遍的であると言えそうだ。特に社会・経済環境が急速に変化している昨今、ビジョンやリーダーシップによって結束力を発揮して、持続的な事業成長の実現に挑戦する企業に魅力を感じていることが考えられる。

■企業魅力度業界ランキング、1位「損保・生保・商社」、2位「食品」、3位「電機」

生活者が企業に対して感じた魅力項目の合計ポイント数を業界別で見ると、上位3位は、「損保・生保・商社」(17,488ポイント)、「食品」(16,407ポイント)、「電機」 (16,037ポイント)という結果となった。

「損保・生保・商社」は他の業界と比較して、「財務的魅力」の割合が最も大きくなっており、昨今の値上がりラッシュなどにより社会・経済環境が不安定な中、収益基盤やビジネスモデルの安定性への関心が改めて高まっていることが要因の一つと推察される。

例えば商社では、人的資本にまつわる取り組みの報道も多く目にすることがあるが、そのような取り組みがこのランキングに表れていると推察できる。【図表10】

第8回 魅力度ブランディング調査概要
調査対象/全国の20~69歳の男女計10,000人 ※20業界(200社)のいずれかに魅力を感じている人(各業界500人)
調査方法/インターネット調査
期間/2023年7月14日~7月24日
設問内容/魅力を感じる業界、魅力を感じる企業、魅力を感じた要素、魅力を感じた情報源、企業イメージなど

関連情報
https://www.dentsuprc.co.jp/releasestopics/news_releases/20231106.html
https://www.dentsuprc.co.jp/csi/csi-outline/?category=attractiveness_branding

構成/清水眞希

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