今の自分にとっての仕事のモチベーションは何かを定期的に問い直す
これらの自己分析を通して、自分のキャリアや仕事のやりがいに自覚的になれると、所属している組織に対しても「こういう仕事がしたい」「この仕事はやり方を変えたい」といった意思表示をしやすくなるというものだ。
「年齢を重ねると、『自分のやりがい・モチベーションはこれだ』と決めつけて固着してしまっていることも。でも、経験を重ねるなかで自分の価値観だって変化している可能性があるので、そこを紐解いてみると新たな発見が得られることでしょう」
ITなどの外部環境変化を理由にリスキリングが声高に叫ばれている昨今、会社の勧めでその類の勉強を始める人もいるが、新しいことをやる前に、やはり一度立ち止まって今の自分を知るべきだ。
「まず自分の持ち物を棚卸しして、強みを生かせることは何なのか、やりがいを感じられることが何なのかを整理します。それで自分の進みたい方向性に必要なことであればやってみる、でいいと思いますよ。『会社に言われたから』ではなく、やっぱりそこは自分の思いがこもる、やりたいと思えることにフォーカスした方が真剣に取り組めるはず。
自分の方向性を考えるヒントを得るためにセミナーやキャリア研修に参加したり、本を読んだりするのもいいでしょう。上司や先輩の力も借りながら、若手だろうが中堅だろうがシニアだろうが、自分らしく自律的なキャリアを歩むために必要なことは何なのかを見極めることが、退屈を打ち破るための非常に大事なポイントだと思います」
すでに仕事に退屈してしまっているならば、シンプルにその〝逆〟を考えることでボアアウトから抜け出すきっかけになるかもしれない。
「今までで1番ワクワクした仕事って何? というのを思い返してみることですね。そのワクワクポイントを今の仕事で再現できるかどうかをまず考えてみる。どう考えても再現できないのであれば、異動願いを出す、転職するといったアクションを起こす。退屈したままでいると、個人としても、会社の経営サイドとしてもヘルシーとは言えないですよね。熱中しながら真剣に取り組める仕事は何なのか、ぜひ考えてみてください」
Great Place To Work® Institute Japan
取材・文/清談社・松嶋千春