職場で「あの人は器が小さい」という話を耳にしたことはないでしょうか。
プライベートの関係であれば完全に関わり合いにならないこともできますが、仕事となるとそうはいきません。
今回は、器が小さい人の特徴と、そんな人に振り回されない上手な接し方をご紹介します。ぜひ対策としてご覧ください。
器とは
まず、小さい、大きいと表現される“器”とは何を指しているのか、考えてみましょう。
器とは度量のことです。その意味は「他人の言行をよく受けいれる、広くおおらかな心」を指します(小学館のデジタル辞典)。
なので「器が小さい」とは、他人の言動をよく受けいれる器が小さい、つまり、「他人に対して許容範囲が狭いこと」を意味しています。
器が小さい人の特徴5選
器の小さい人がどのような人かわかったところで、次に器が小さい人の特徴を見ていきます。
1.他人の失敗をいつまでも忘れない
器の小さい人の最大の特徴は、他人に対する許容範囲の狭さです。許容範囲が狭いと、他人を許したり認めたりすることは稀になります。つまり、失敗に対して許容がないということです。
最初はその失敗に対する怒りだったとしても、時が経つにつれてその失敗は相手より優位に立つための道具になります。なので、失敗の大きさはあまり関係なく、小さい失敗だったとしてもずっと忘れずにネチネチと伝えてくることもあります。
2.他人の成功や幸せを喜べない
先ほどは他人の失敗でしたが、器の小さい人は他人の成功や幸せに対しても寛容ではありません。これも相手より優位に立ちたいという気持ちがあるためです。
優位に立ちたいという気持ちは劣等感が強いことを表しています。劣等感が強い人は他人の成功や幸せに対して嫉妬心を抱いてしまい、素直に喜べないのです。
喜べないだけならまだしも、器の小さい人は、他人が評価されているイコール自分より優遇されていると敵対心を向けてくる可能性もあるので、対応には注意が必要です。
3.自分の非を認められない
自分の非を認められないのも器の小さい人の特徴の1つです。
他人よりも優位に立ちたい気持ちがあるため、自分の非を認めることは負けてしまうことだと思っています。
自分の非を認められないので、失敗を責任転嫁するという特徴も持ち併せています。仕事でのミスの場合には、「指示の方法がわかりにくかった」「このような指示は聞いていません」といった発言で他人のせいにして、なんとかそのミスから逃れようとします。
4.感情に左右されやすい
仕事では感情よりも理性を優先させるべきです。なのに、器の小さい人は感情に左右されやすく、それを隠しきれずに周囲を巻き込みます。
なぜ感情に左右されやすいかというと、感情に対する器も小さくすぐに溢れてしまうからです。感情に対する器が小さいと、些細なことでイライラしたり、怒りやすくなります。そんな人がいると職場の雰囲気は悪くなるのが容易に想像できますよね。
5.損得勘定で物事を判断する
器の小さい人は自分のメリット、デメリットを大切にします。これも他人よりも得をしたいという気持ちが関係しています。
得をしたいという気持ちには、他人を信用していないという心理が隠れています。このタイプは周囲との摩擦も多くなり、人間関係でのトラブルの元となってしまう可能性もあります。
器が小さい人との接し方はどうすればいいのか
特徴を見ると、一緒に仕事をしていく中でイライラしてしまうことも多いことが推測されます。そんな相手にはどのように接するといいのか。ここでは上手な接し方をご紹介します。
1.感情を優先しそうになったら一呼吸置く
相手は感情を優先するタイプなので、こちらも感情で立ち向かっては収拾がつかなくなる恐れもあります。
相手がすぐ折れてくれることは考えにくく、感情論で言い合っても解決法はほぼ見つかりません。時間のムダに終わってしまう可能性大です。
イラっとしたときには、その場を離れて一呼吸置いてみてください。急激に膨らんだ感情は10秒ほどで落ち着きを取り戻してくれます。
2.仕事以外の内容で関わらない
相手はある意味、人をイラっとさせる天才です。本当ならまったく関わり合いにならないのが一番なのですが、仕事なのでまったく関わらないようにするのは厳しい方がほとんどでしょう。
そんな場合は、仕事以外の会話はなるべく避けるよう心がけてください。注意してほしいのは、ここでの「避ける」は無視ではありません。話しかけられたら応じるけれど、あなたから仕事以外の内容を振らないようにしてみてください。
相手から話しかけられた場合も会話は相槌などにとどめましょう。そうすることで会話を長引かせることなく、自然に会話を終わらせることができます。
文・構成/藤野綾子