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管理職なら知っておくべき、部下を成長に導くフィードバックの方法

2023.11.17

リーダーとして、やるべきこと、やってはならないことを皆様は整理できていますか。

経営者の方々であれば、自身はもちろんのこと、社内でマネジメントに携わるリーダーに対して、やるべきこと、やってはならないことを明確にできているでしょうか。マネジメントについて、整理され、組織の中で共通認識の上で組織マネジメントが出来ている会社は、実に少なく感じます。その結果、属人的なマネジメントが行われ、経営層からは、「彼(彼女)は、管理職にはまだ早かった。」などのワードを耳にし、中間管理職からは、「自分は、管理職をやりたくなかった。」などネガティブなワードを耳にすることがあります。このような状況を少しでも改善したいという思いから、今回は上司として行うべき部下へのフィードバックについて、原理原則をお伝えしていきたいと考えております。リーダーの方々の思考の整理に役立てていただき、是非実行してみてください。

1)正しい報・連・相

上司と部下という関係値は、役割とルールのもとで成り立っており、上司は、責任者であり指揮命令者。部下は、実働者という位置関係です。この上司と部下という位置関係を日常的に部下に意識させる方法が「報連相」です。

ここで質問です。

「報連相」は、(1)上司⇒部下の順番が正しいでしょうか?それとも、(2)部下⇒上司の順番が正しいでしょうか?

答えは、当然ながら(2)番ですよね。

日常のマネジメントを振り返ってみてください。この正しい順番で報告・連絡・相談が部下から上がって来ているでしょうか。上司自身が、部下に対して、「あの案件ってどうなっている?」、「A社の提案結果を教えてくれないか?」と確認しに行っていないでしょうか。もし、現状、自身から聞きに行くことが多くなってしまっているようであれば、マネジメントがうまくいっていない状況かもしれません。上司が毎回確認してくれるような環境下であれば、部下は、自ら報告しにいくということを忘れ、待ちの姿勢が形成されてしまいます。

では、どうすればいいのでしょうか。

ここで上司がすべきことは、「報告」、「連絡」、「相談」の定義を明確にし、上司が必要とする「報連相」の内容を予め明確にルール化しておくことです。

上司が定めた「報連相」のルールを確認し、部下は、ルールに則り行動する。このように機械的に「報連相」を行わせることが重要となります。

ルールの例を挙げると、

・報告は、〇時と△時と□時の3回、slackで報告をする
・営業活動終了後、1時間以内に進捗結果を報告する
・設定された期限に遅れる可能性がある場合は、期限前に担当者に連絡をすること

上記例のように上司が必要と判断した「報連相」をルール化し、周知徹底することから始めてみてください。管理工数が大幅に削減されますし、部下もルールを認識して動くようになりますので期限意識が醸成されます。

この正しい「報連相」の仕組みを構築することが、上司としての第一ステップです。

2)フィードバックの重要性

「仕事ができる人」、「急成長する人」に共通することがあります。

それは、物事を数字と捉えることが出来るということです。

「成長」とは、「出来なかったことが、出来るようになること」と定義をすると、人が成長するためには、「出来なかったこと」を認識することが不可欠となります。

この「出来なかったこと」を認識させるためにもフィードバックが重要になります。

次の2つのフィードバックについて、どちらがより不足を認識することができ、次の行動改善に繋がるのか考えてみてください。

(1)「目標に対して大幅に未達でしたね。」
(2)「1000万の売上目標に対して、300万未達でしたね。」

同じことを言っているのですが、数字で伝えられている方が自身の不足が明らかとなります。

感覚的ではなく、適切なフィードバックを行っていくためにも上司が意識すべきは、明確な目標を設定することです。

「10kmを全力で走ろう」ではなく、「10kmを60分以内で走ろう」と誰が見ても、聞いても認識のズレが発生しないように目標を設定することがポイントです。

自身の不足を数字で認識するからこそ、この後の行動が確定していきます。

同じ時間内で、不足の認識と行動改善の繰り返しの量が多い人が、成長スピードが速くなります。そのため、上司は、部下を成長させるために、明確な目標を設定し、不足の認識と行動改善ができる環境を構築することが重要となります。

3)危険が潜むプロセス評価

ここで注意点をお伝えしておきます。

前提として、結果を「期限時の事実」、経過を「やり方、プロセス、取り組む姿勢」と定義します。

上司が設定した目標に対して、部下が出した結果への評価やフィードバックを行うことは上司の役割となりますが、部下の経過(やり方、プロセス、取り組む姿勢)を評価することやフィードバックをすることは、行ってはなりません。

よく耳にするのが、

「夜遅くまでよく頑張ってくれているね。」「今回の提案、良い提案だったって聞いているよう。」「私だったらこのように考えるが・・・」「他にもこのような取り組み方法があると思うがどうか?」

といった、経過に口を出してしまう内容です。

経過を評価され、フィードバックを受ける環境化にいる部下は、どのような思考になると思いますか。

本来追うべき結果よりも経過をどう見せるかに思考が傾きます。また、上司に言われたとおりに動く方が安全と考え、自ら考えなくなり、問題が発生しても上司に言われた通り行いましたと他責の思考が働きます。

フィードバックは、重要ですが、ここで伝えているのは、設定した目標に対して出た結果を数字でフィードバックすることであり、決して経過をフィードバックすることではないため、重要ポイントとして認識しておいてください。

4)具体的なフィードバック方法

正しい「報連相」、フィードバックの重要性を理解いただいたあとは、実践編ということで、具体的なフィードバック方法をお伝えしていきます。

絶対にやってはならないフィードバックが、上司が設定していない事柄に対して感覚的にフィードバックしていくことと、経過へのフィードバックです。

このような状況にならないようにするためにも上司がやるべきことは、明確なルール設定と明確な目標設定です。

四半期、1ヶ月、1週間と期限を区切り、その時点で上司が求める事実を目標として設定する。そして、その結果が出たタイミングで上司に対して報告をするというルールを定めることです。

報告の内容は、不足を正しく認識させられるようにするために(1)目標を数字で設定(2)結果を数字で記載(3)目標と結果に差分がある場合は、不足の理由(4)行動変化(何をどのように改善するのか)(4)次の目標を数字で設定 となります。

こちらも予めフォーマットを作成し、部下が入力して上司に提出できるようなルールが定められていれば、部下は報告に関して迷いなく行動することが可能となります。

記事のまとめ

本テーマは、「部下を成長に導くためのフィードバック方法とリーダーシップ力の向上」でした。上司が最初にやるべきことは、正しい「報連相」の仕組みを構築し、上司部下の位置関係を構築する。成長のためには、不足の明確化が重要であるということを理解し、フィードバックの仕組みを構築する。注意点である経過の評価やフィードバックをすることなく、結果のみを管理していく。

こちらを実践いただくことで、今まで活躍できていなかった部下が成果を出し始め、組織の中で競争環境が出来上がり、組織としての成果が最大化されていきます。

リーダーシップとは、特定のカリスマのみが出来るものではなく、誰もが出来るものです。

リーダーとして成長し、部下の成長に大きく寄与できる上司になっていってください。

文/識学

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