AWSでシステム構築をする際に知っておきたい機能
AWSでは、セキュリティ機能を含むさまざまなコンテンツが提供されています。ここでは、システム開発をするなら知っておきたい基本となる機能に絞って解説を進めます。
■VPC (Virtual Private Cloud)
VPCは、AWSクラウド内にプライベートなネットワーク空間を作成するサービスです。ユーザーは、自分のAWSアカウント専用のVPCを設定し、その中でリソースを隔離して管理できます。これにより、インターネットからの直接アクセスを遮断し、セキュリティを強化することが可能です。
■サブネット (Subnet)
サブネットは、VPC内のIPアドレス範囲を分割し、ネットワークを論理的に分けるためのものです。サブネットを利用することで、セキュリティやアクセス制御の要件に応じて、リソースを適切に配置できます。
■EC2 (Elastic Compute Cloud)
EC2は、柔軟な仮想サーバーインスタンスを提供するサービスです。ユーザーは、必要に応じてインスタンスのタイプを選択し、OSをインストールして使用できます。また、オートスケーリングやElastic Load Balancingなどを組み合わせることで、トラフィックの増減に応じたリソースの自動調整が可能です。
■ALB (Application Load Balancer)
ALBは、アプリケーション層で動作するロードバランサーで、複数のサーバーにわたって受信トラフィックを分散できます。これにより、システムの可用性と耐障害性が向上します。ALBは、高度なルーティング機能やSSL/TLSの終端など、アプリケーションのパフォーマンスを最適化するための機能が提供可能です。
■AWS Identity and Access Management (IAM)
IAMは、AWSリソースへのアクセスを管理するためのサービスです。ユーザーやグループを作成し、それらに対して特定の権限を付与できます。例えば、特定のS3バケットへのアクセスを許可するユーザーや、EC2インスタンスの起動・停止のみを許可するロールを作成できます。
■Amazon Virtual Private Cloud (VPC)
VPCは、AWS上で仮想的なプライベートネットワークを構築するためのサービスです。自分だけのセキュアな空間を作成し、リソースを配置できます。例として、公開されるWebサーバーと非公開のデータベースサーバーを別々のサブネットに配置することで、セキュリティを強化可能です。
■AWS Key Management Service (KMS)
KMSは、暗号化キーの生成や管理を行うサービスです。データの暗号化に使用するキーを安全に管理できます。例えば、S3に保存するデータをKMSで生成したキーを使用して暗号化が可能です。
AWSでのセキュリティベストプラクティス
AWSでセキュリティを考えるときには、以下の原則を意識することが大切です。
● 最小権限の原則
● マルチファクタ認証 (MFA) の活用
● 定期的なアクセス権限の見直し
それぞれ解説します。
■最小権限の原則
ユーザーやアプリケーションには、必要最低限の権限のみを付与することが推奨されます。これにより、不正アクセスやデータ漏洩のリスクを低減可能です。例えば、データベースのバックアップを取るスクリプトには、バックアップの取得のみの権限を付与し、他の操作は禁止するように設定します。
■マルチファクタ認証 (MFA) の活用
MFAは、2つ以上の認証方法を組み合わせてアクセスを許可する方法です。例えば、パスワードとスマートフォンの認証コードを組み合わせることで、セキュリティを強化できます。AWSの管理コンソールへのログイン時にMFAを設定することで、不正アクセスを大幅に防げます。
■定期的なアクセス権限の見直し
ユーザーやアプリケーションの権限は、定期的に見直すことが推奨されます。不要な権限を削除することで、セキュリティリスクを低減可能です。例えば、プロジェクトが終了した後のユーザーや、使用されなくなったアプリケーションの権限を削除することが考えられます。