メールにLINE、ビジネスチャットなど、コミュニケーションの手段が多様化する中で「iOS 17」では「メッセージ」のアプリが大幅に進化。メッセージのやりとりに加え、自分の今の状況をより簡単にシェアできるようになった。思うように連絡ができない移動中に役立つ機能も充実している。
親密でない人にはひと言添えて共有する
前述のようなステッカーを送り合えるだけでなく、メッセージの中で相手と共有できる情報も増えた「メッセージ」のアプリ。仕事の要件をより気軽に、スピーディーにやりとりできる手段のひとつとして、今後のビジネスシーンで出番が増えそうだ。
自身のコミュニケーションには主にメールとFacebook メッセンジャーを活用しているという平野友朗さんだが、コミュニケーションツールやその内容は、相手によって使い分けるべきと話す。
「タイパ(タイムパフォーマンス)を重視する風潮がありますが、例えば手間を省くために軽い気持ちで送ったステッカーが誤解を招いてしまうこともある。誤解を解くために説明する、または謝るといったリカバリーが必要になったら、それこそ時間がもったいない。タイパの良いコミュニケーションを目指すなら、相手が受け入れやすいコミュニケーションを心がけるべきです」(平野さん)
位置情報の共有や到着時間を知らせるのは確かに便利な機能だが、それだけが突然送られてきたら相手が困惑することもある。
「なぜ送るのか、どういう意図なのかをきちんと言葉にして、併せて送ったほうがいい。『5分遅れます!』ですむ相手もいれば、それを許容しない相手もいる。受け手がどう理解するかが大事なので、相手との関係性やシチュエーションに応じて言葉を書き足すことも必要でしょう」(平野さん)
一般社団法人 日本ビジネスメール協会 代表理事
平野友朗さん
ビジネスメール教育の専門家。ビジネスメールの時間短縮、営業力アップ、ルール作成などのコンサルティングを手がける。
「メッセージ」を開き「+」をタップするだけ!
位置情報や音声メモを手軽にシェア!
Review!
「メッセージ」アプリでは、電話番号でやりとりができるSMSのほか『iPhone』同士でより多くのデータを共有できる「iMessage」が利用できる。62ページで紹介したステッカーや写真、音声、位置情報、ほかのアプリのデータなどが送信可能だ。「iOS 17」では目的地への「到着確認」ができるようになったほか、メッセージの検索機能なども強化された。
活用法【1】待ち合わせの時はメッセージで位置情報を共有するとはぐれる心配もなし
Review!
iMessageの便利な機能のひとつが、相手に位置情報を簡単にシェアできること。「+」から位置情報を選択して「1時間」「明け方まで」「無期限」の3つから、シェアする期間をセレクトして共有すれば、自分が今いる場所を相手に伝えられ、その情報はリアルタイムで更新される。ほかに「+」→「その他」から「Googleマップ」を選び、Googleマップ上で同様に現在地を共有する方法もある。お互い移動しながら合流したい時に役立つ。
こんな使い方をすればタイパが向上!
混み合う場所でのすれ違いもなくなる!
互いを発見しにくい場所や大勢の人で混み合った場所などで、位置情報を確認し合えるようにしておけば、すれ違いを防げる。相手と事前にコンセンサスが取れていれば、都度連絡を取り合って居場所を確認するよりも、手間が少ない。誰かをアテンド中に、はぐれた時などにも使える。
活用法【2】遅刻しそうな時には到着確認の新機能を活用すると到着状況をいち早く伝えられる
Review!
「iOS 17」で追加された「到着確認」は、相手に目的地への移動を知らせる機能。本来は見守り用の機能だが、仕事にも使える。「メッセージ」アプリで「+」から「到着確認」を選び、行き先などを設定して送信すればいい。予定どおりに移動できていない場合や、予定時刻を過ぎても到着していない場合、相手に通知が届く。通知内容は「制限付き」と「制限なし」が選べて、前者ではバッテリー残量や今いる場所の電波強度の情報を共有できる。
こんな使い方をすればタイパが向上!
「ちゃんと向かってますよ!」を通知できる
家族や友人の移動を見守るのが本来の用途だが、約束した到着時間に遅れそうな時に「ちゃんと向かっている」ことをスマートに伝えるのにも使える機能だ。相手もジリジリとした気持ちで待たなくてもいい。到着したらそのことを通知できるので「着いたら連絡する」という手間も省ける。